富士通は9月15日、Linux Foundationに提案していた自動機械学習技術とAI公平性技術がオープンソースソフトウェア(OSS)プロジェクトとして承認されたと発表した。プロジェクト名は、自動機械学習技術が「SapientML」、AI公平性技術が「Intersectional Fairness」で、19日から開催の「Open Source Summit Europe 2023」で正式にプロジェクト活動を開始する。
同社は、2014年から2022年10月までのAI関連の発明で日本最多の970件の特許を保有し、2023年4月にAIプラットフォーム「(コードネーム)Fujitsu Kozuchi - Fujitsu AI Platform」も公開するなど、顧客やパートナーにAI技術を提供していると説明する。
SapientMLプロジェクトのテーマとなる自動機械学習技術は、表データから説明付きの機械学習モデルのコードを高速に自動生成するもの。データサイエンティストが同技術を活用すれば、高精度なモデルをすぐに作成できるようになるという。
自動機械学習技術のイメージ(出典:富士通)
Intersectional FairnessプロジェクトのテーマとなるAI公平性技術は、学習データにおける年齢や性別、国籍など複数の属性が特定条件で組み合わされた際に出現する交差バイアスを検知、改善する。
AI公平性技術の適用イメージ。テストの合格率を年齢と性別で組み合わせて分析し、グループ所属人数の違いが原因で若年女性の合格率が残りのグループの合格率よりも極端に低いバイアスが発生したとする。AI公平性技術では、グループごとのバイアス調整策を作成し、調整策をグループ全体の観点で再調整して合格ラインを決定する手法を用いることにより、精度とのバランスを保ちながらこのバイアスを緩和させ、公平な結果を出力するAIかどうかを判別できるようになるという(出典:富士通)
同社は、Fujitsu AI Platformで2つの技術を「Fujitsu AutoML」「Fujitsu AI Ethics for Fairness」の名称でサービス提供しており、今後はOSSプロジェクトでの成果も反映させていくとする。