Workdayは9月26~29日、米国サンフランシスコで年次イベント「Workday Rising 2023」を開催している。今回のテーマは「将来の働き方」。しかし、リモートワークかハイブリッドかではなく、「AIを取り込むことでわれわれがどう仕事をするのかを一緒に考えよう」というメッセージだ。
基調講演には、共同創業者兼最高経営責任者(CEO)として同社を率いてきたAneel Bhusri氏に加え、次期CEOとなる予定が発表されているCarl Eschenbach氏(現共同CEO)も初のRisingのステージを踏んだ。本稿では、初日と2日目の基調講演をレポートする。
まもなくFortune 500入り、成長の秘密はハッピーな従業員
Workdayは2005年に創業し、Oracle買収後のPeopleSoftで幹部を務めていたBhusri氏とDavid Duffield氏が新たに立ち上げた。旧PeopleSoftと同様に、人事アプリケーションだが、Workdayは最初からクラウド、SaaSの形式を採用した。
Workday 共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のAneel Bhusri氏
Bhusri氏は直近の業績として、「売上高62億2000万ドル、前年比21%増となった。現在Fortune 562で、計画通りに行けば、2024年にはFortune 500入りを実現する」とし、「18年前の創業時を思い出すと夢のようだ」と語る。顧客数は1万組織以上、「Workday Financial Management」「同Human Capital Management(HCM)」の顧客(コアカスタマー)は5000以上を数える。
Bhusri氏が最も胸を張るのは顧客満足度だ。Financial ManagementとHCMの顧客満足度は95%、「14年連続で(目標値の)95%を上回っている」とBhusri氏。その背後にあるのは、同社のコアバリューだ。Workdayでは、ナンバーワンは顧客ではなく従業員だという。「ハッピーな従業員が顧客をハッピーにする。従業員がハッピーじゃないのに顧客がハッピーというのはあり得ない」とBhusri氏は述べた。
そのWorkdayは、重要な転機にある。2022年末に、新しい共同CEOとしてEschenbach氏が就任した。Bhusri氏は、2024年初めに共同CEO職を退き、エグゼクティブチェアマンとなる計画が発表されている。
2024年よりCEOを務めるCarl Eschenbach氏
Eschenbach氏は、Workday Rising 2023初日の基調講演で、「AIのパワー、機械学習のパワーは、疑う余地がない。これがどのようなインパクトを与えるのかを懸念する声もあるが、人間には適応力がある。われわれは平和に共存する」と述べ、「AIと機械学習(ML)を活用した働き方を一緒に考えよう」と語りかけた。