Baxter氏も、業界のほかの人々と同じように、AIの正確さや安全性を確保するためには十分な安全措置が必要になると述べている。また、生成AIと並行してリスク軽減ツールを導入することが望ましいという。これには例えば、問題を検出・報告する機能や、人間からフィードバックを収集し、フィードバックを返す仕組みが含まれる。
また同氏は、AIの基盤を固めることも重要だと述べ、AIモデルのトレーニングに使用するデータの重要性を強調した。しかし、データ衛生の管理が行き届いている組織は多くないという。
9月に発表されたレポート「C-Suite Global AI Indicator Report」によれば、責任者のうち、すべてのデータに完全にアクセスできると回答したのはわずか4%だった。この調査はWorkdayの委託調査として、アジア太平洋地域、日本、北米、欧州・中東・アフリカ地域の最高経営責任者(CEO)、最高情報責任者(CIO)、最高財務責任者(CFO)を含む企業役員2355名を対象として実施された。
この調査では、回答者の半数以上(59%)が、自社のデータはある程度、または完全にサイロ化されていると答えている。
また、CEOの98%はAIや機械学習を導入することで短期的にビジネス上の利益が得られると考えている一方で、49%はツールやスキル、知識が不足しているため、組織として導入する準備ができていないと回答していた。
さらに、回答者の約43%はAIや機械学習の信頼性に懸念を感じており、CEOの67%は、AIや機械学習を導入する際のもっとも大きなリスクとして潜在的なエラーを挙げている。
信頼を構築するには透明性を高める必要があるが、データがサイロ化しまっているため、透明性を確保しようとするリーダーの能力は損なわれている。
Workdayの最高技術責任者(CTO)Jim Stratton氏は、「いくつかの不確実性はあるものの、企業の経営陣はAIと機械学習が従業員の業務遂行能力と生産性を高めると考えている。これらのメリットを享受するためには信頼が極めて重要であり、信頼を築くには、適切なデータ基盤とガバナンスへの取り組みが必要になる」と述べている。
Stratton氏は、企業がAIを導入し、その恩恵を受けるためには、データの品質と透明性に優先的に取り組むべきだと主張した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。