Microsoftは生成型の人工知能(AI)を活用した事業で大きく飛躍している。同社の最高経営責任者(CEO)であるSatya Nadella氏は米国時間10月24日の夕方に開催した、2024会計年度第1四半期決算(9月30日締め)発表後のアナリストらとの電話会議の場で、「GitHub Copilot」の有償ユーザー数が100万人を超えたと語った。
Satya Nadella氏
提供:Ben Kriemann/Getty Images
Nadella氏は「Copilotの有償ユーザーが100万人を超えた。また3万7000を超える組織が『GitHub Copilot for Business』を契約している。これは前年同期比40%増で、米国外で大きく注目されている」と続けた。
また同氏は、Copilotに最近追加された「GitHub Copilot Chat」が「Shopifyのようなデジタル企業や、MaerskやPwCのような一流企業によって既に利用されており、これらの企業におけるソフトウェア開発者の生産性を劇的に高めている」と述べた。
Copilotは、Microsoftの製品ラインの各所で人工知能(AI)を取り込んでいくという約束を実現するためにNadella氏が進めているアプローチの1つだ。また、OpenAIの「ChatGPT」を統合した同社の「Bing」検索エンジンは、これまでに「19億件を超えるチャット」を処理してきたと同氏は述べた。
同氏は「Microsoft Edge」ブラウザーが10四半期連続でシェアを伸ばしている点を指摘した上で、「われわれはこの(第1)四半期に、パーソナライズされた回答を提供できるようにして、ユーザーがより適切な答えを得られるようにした。また、『DALL・E 3』のサポートを追加し、驚くほど写実的な画像を生成できるようにした。これまでに18億枚を超える画像がDALL・E 3によって生成されている。また『Copilot in Microsoft Shopping』によって、人々は各人に見合ったより精度の高いお勧めや、より優れた取引を見つけられる」と述べた。
アナリストらは、Microsoftが100億ドルを超える金額を投じてきている新興企業のOpenAIとの提携関係から大きな経済的見返りを得るだろうと予想している。一部のアナリストは、この提携関係の価値が最終的に1000億ドルに達するとみている。
Nadella氏は、GitHub Copilotによる収益がどれだけなのかを語らなかったものの、最高財務責任者(CFO)のAmy Hood氏は「AI関連の消費が予想を超え、『Azure』の売上増に貢献した」と述べた。
第1四半期におけるインテリジェントクラウド事業の売上高は、アナリストらの234億ドルという予想を上回り、前年同期比19%増の243億ドルとなった。そのうちのAzureなどクラウドサービス事業の売上高は29%増となっており、その3ポイントは「AI」サービスによるものだったとHood氏は述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。