SAPジャパン、「S/4HANA Cloud」最新版や「RISE with SAP」新パッケージなどを提供

藤本和彦 (編集部)

2023-10-26 14:53

 SAPジャパンは10月26日、「SAP S/4HANA Cloud」の最新版や「RISE with SAP」の新パッケージ、クラウド移行の支援プログラムを発表した。

 「SAP S/4HANA Cloud, private edition」の2023リリースが利用可能となった。2023リリースは「SAP ERP Central Component」(SAP ECC)の全機能のほか、財務、製造、保全、サプライヤーを単一のクラウド基盤に統合し、最新のアーキテクチャーに基づく業務アプリケーションを提供する。

 S/4HANA Cloud, private editionは、RISE with SAPの中心的なソリューションになる。今回からリリースサイクルが2年となり、保守期間は5年から7年に延長された。また、最新のイノベーションと機能拡張が6カ月ごとに追加されるようになる。

 RISE with SAPに新しい「プレミアム・プラス・パッケージ」が加わった。9月にグローバルで発表された生成AIアシスタント「Joule」と連携し、ERPのための新しいAI機能を追加する。Jouleは、複数のシステムからのデータを迅速に分類し、文脈を整理して、よりスマートなインサイトを提示することが可能という。

 また、プランニング業務を合理化し、財務/非財務部門のデータによる予測精度を向上させるほか、請求書管理と現金回収プロセスを強化するソリューションを活用し、財務責任者の意思決定を迅速化する。取引先向けのポータルを備えたネットワークERPを構築し、幅広い取引先との緊密な連携や、調達・請求取引の自動化により、支出管理を簡素化する。

 バリューチェーン全体で二酸化炭素排出量などに関するデータを計算・共有し、急速に進化する環境・社会・ガバナンス(ESG)報告基準に対応することで、より多くのサステナビリティー(持続可能性)に関するインサイトを提供する。

 SAPジャパンではユーザー企業の状況に合わせてクラウド移行を支援している。今回、RISE with SAPへの「コンバージョン&モダナイゼーションプログラム」を立ち上げ、ツールや専門家によるサービスを提供する。

 具体的には、RISE with SAPの導入フレームワークによるコンバージョン計画の立案とプロセス分析ソリューション「SAP Signavio Process Insights」によるビジネスケースの構築を行う。

 また、SAPの専門家と直接相談できる無料サービス「SAP Customer Evolution kit」も提供する。非常に短い時間枠の中で、ユーザー企業にとって最適な移行プランの作成を支援する。さらに、RISE with SAPのユーザー向けに、S/4HANA Cloudの最新リリースへのアップグレードをサポートする新しいサービスにも取り組んでいるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]