Broadcomは米国時間11月22日、VMwareの買収が完了したと発表した。独立企業としてのVMwareは四半世紀の歴史に幕を閉じ、今後は「VMware by Broadcom」のブランドでBroadcomが事業を運営する。
Broadcomは、2022年5月にVMwareを610億ドルで買収すると発表。2023年11月14日に東京都内で開催された旧VMwareのカンファレンスに登壇したBroadcom プレジデント 最高経営責任者(CEO)のHock Tan氏は、「買収が近く完了する」とコメントしていた。各国当局の買収の承認審査が続き、最後の中国当局が承認したことで買収が正式に完了した。
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Tan氏は、22日付のブログで、「VMwareの買収が成功に終わり、当社にとってエキサイティングで新しい時代が始まることをうれしく思う。VMwareがエンジニアリング第一、イノベーション中心の当社チームに加わり、世界を主導するインフラストラクチャー技術企業の確立に向けた新しい重要なステップである」とコメントした。
同氏は、顧客が引き続きプライベート(オンプレミス)、ハイブリッド、マルチクラウドのあらゆるインフラでモダンなアプリケーションやサービスを展開できるように取り組むと説明。今後はVMwareの革新と顧客価値のために毎年投資を強化し、その半分を研究開発、残りの半分はVMwareやパートナーのプロフェッショナル サービスを通じたソリューション展開を加速するために充当していくとしている。
Broadcomは今後、VMwareのITインフラソリューション「VMware Cloud Foundation」(VCF)を中心に投資を行い、VCFにひも付く投資領域として、(1)アプリケーションネットワーキングとセキュリティ、(2)モダンアプリケーション、(3)データセンターからエッジにおけるソフトウェアによる変革――の3つを設定する。
(1)では、AIや生成AIなども活用したVMware仮想化環境のセキュリティ保護と最新の負荷分散ソリューションを挙げる。(2)では、「VMware Tanzu」ポートフォリオを生かしたモダンアプリケーションの開発や展開、(3)では旧VMwareが展開してきたソフトウェアデファインドデータセンター(SDDC)のアプローチをエッジコンピューティング領域にまで拡張していくとする。
Tan氏は、Broadcomが持続的な成長と顧客価値を推進するために買収事業に長く投資を行ってきた実績があると強調。「顧客とパートナー、業界全体に対してベストインクラスのソリューションを提供するために、われわれに何ができるのかを楽しみにしている」と述べている、