東急百貨店は、サイボウズの業務アプリ作成クラウドサービス「kintone」を活用して、アナログな方法により管理されていた外商営業における顧客情報のデジタル化などを実現した。サイボウズが発表した。
東急百貨店は、同社が開発した「電話注文即日配送サービス」の基盤にもkintoneを活用。このサービスは、グループ会社間の情報をリアルタイムに共有することで、電話注文から遅滞なく食料品を顧客の自宅に届けられる。
kintoneは、サイボウズが提供するノーコード/ローコードツール。自社業務に合わせたアプリを容易に作成でき、日々変化する業務に合わせて改良も簡単に素早くできるとする。主な機能特徴を「データベース+ワークフロー+コミュニケーション」とし、顧客管理、出張申請、業務日報など幅広い用途に活用できる。
外商事業部でのkintone活用とDXのステップ
東急百貨店の外商営業における顧客情報管理のデジタル化では、属人的かつアナログな方法で管理されていた顧客情報を、kintoneを使って部門単位のチームで共有できるようにした。これにより営業効率が向上し、担当変更の引き継ぎなどをスムーズに行えるようになったという。
また、電話注文即日配送サービスでは、kintoneのプロセス管理機能を用い、配車予約からピッキング、配送までのプロセスが滞りなく流れるようステータス管理ができるようになった。これにより部署や所在地、会社の異なる三者が連携して、スムーズにサービスを提供している。
即配システムの仕組み
具体的なサービスの流れは、(1)東急百貨店の外商員が電話で顧客からの注文を受け付けてKintoneに注文情報を登録、(2)登録された受注情報から渋谷東急フードショーの店舗スタッフが商品をピッキングして発送までを手配、(3)商品を配送する東急グループ会社のドライバーと連携して顧客の自宅まで配送――となる。
その後、外商業務部でのkintone活用効果が口コミで社内に広がったといい、同社ではeラーニングによりkintone活用効果を発揮しているという。例えば、内部統制部門は、これまで紙ベースで実施していた教育マニュアルの展開やテストをkintoneでデジタル化した。導入以前は、店頭勤務者を含む社員1000人以上を対象としたテストで以前から受講率が上がらないままだったが、kintone移行後には受講率100%を達成している。
今後同社は、kintoneで保有しているデータのAI分析などさらなる用途拡大を図っていく。社員のkintoneiに対するリテラシーが向上するような取り組みや、社内体制整備にも取り掛かるという。