Raspberry Pi 5をオーバークロックする手順は以下の通りである。
ステップ1:更新する
Raspberry Piを起動して、ターミナルアプリを実行する。その後、以下のコマンドを入力して、Raspberry Piを更新する(各コマンドの最後に「Enter」キーを押す必要がある)。
sudo apt update
次に、以下のように入力して、アップグレードを実行する。
sudo apt dist-upgrade
このステップには時間がかかるので、コーヒーや紅茶、コンブチャなど、活力源となるものを飲みながら、気長に待とう。アップデートが完了したら、以下のコマンドでRaspberry Piを再起動する。
sudo reboot now
ステップ2:設定ファイルを編集して、潜在的な性能を解き放つ
Raspberry Piが再起動したら、もう一度ターミナルを開いて、以下のコマンドを入力する。
sudo nano /boot/config.txt
これで、config.txtファイルが「Nano」テキストエディターで開かれる。
ファイルの一番下までスクロールして、以下の3行を追加する。
arm_freq=3000 gpu_freq=1000 force_turbo=1
最初の2行はCPUを3GHzに、GPUを1GHzにそれぞれ設定し、3行目はRaspberry Piがプロセッサーのクロック速度を低下させるのを防いで、フルスピードで動作できるようにする。
編集したファイルを保存するには、キーボードで「CTRL」+「X」>「Y」>「ENTER」の順に押す。
ステップ3:再起動してテストする
ターミナルで以下のコマンドを入力する。
sudo reboot now
このコマンドを実行すると、Raspberry Piが再起動するので、すべてが正常に機能するか確認してほしい。
システムが動作しない場合は、電源ケーブルを抜き差しして、手動で再起動してほしい。
それでも問題が解決しない場合は、「Shift」キーを押しながらRaspberry Piを再起動して、オーバークロックなしで強制的に起動する。その後、上記のステップ2を繰り返して、すべてが正しく入力されているか確認する。
Active Coolerは薄型で目立たないので、大きくて扱いにくいサードパーティー製のRaspberry Piクーラーよりもはるかに優れている。
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET
オーバークロック時のファンの冷却効果をテストする
これは本格的なテストだ。Hashcatを再度実行して、速度と温度を確認してみよう。
注意点が2つある。
- Hashcatのパフォーマンスは、標準のプロセッサー速度と比較して約30%向上している。「無料」(クーラーのコストは除く)でここまでパフォーマンスが向上するのは、信じられないことだ。
- 温度が55度を超えることはない。つまり、非常に高い負荷がかかる状況でも、Active Coolerは極めて効果的にプロセッサーを冷却している。
Hashcatのパフォーマンスが30%高速化し、温度も大幅に下がった。
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET
プロセッサー温度を70度以上に上昇させることが可能かどうかも確認したかったので(クーラーを取り付けずにHashcatを標準速度で実行すると、温度が70度以上に達する)、Sysbenchと呼ばれる別のベンチマークツールも実行した。
Sysbenchでも、温度をそこまで上昇させることはできなかった。このクーラーは本当に高性能だ。
それでは、「Raspberry Pi」のベンチマークツールの中で最も過酷な「Stressberry」ならどうだろうか。Stressberryは、温度を70度以上に押し上げられるだろうか。答えはノーだ。65度まで上げることさえできなかった。
購入に向けたアドバイス
公式のRaspberry Pi 5 Active Coolerは、日常の一般的な使用時の温度を制御するだけでなく、オーバークロック時にシステムを安全な温度範囲内に保つこともできる。
Raspberry Pi 5を購入する場合は、冷却性能に優れたActive Coolerも入手することを強くお薦めする。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。