米国時間12月19日、Appleの「M1」「M2」プロセッサーに対応したLinuxディストリビューション「Fedora Asahi Remix 39」がリリースされた。当初はこの夏に提供予定だったため、遅れてのリリースとなる。

提供:Fedora Asahi Remix Linux Project
Fedora Asahi Remix 39は、AppleのARMベースのコンピューターで動作する。つまり、M1およびM2を搭載した「MacBook Air」「MacBook Pro」「Mac Mini」「Mac Studio」「iMac」デバイスで利用できる。
現時点で「Mac Pro」はサポートしていないが、将来リリースされる「Fedora Linux 40」で対応する見通しだ。またFedora Linux 40では「OpenGL 4.x」と「Vulkan」、M1/M2のグラフィックスサポートも提供される予定。
Fedora ProjectとAshai Linuxのプログラマーは長年、このLinuxディストリビューションに取り組んできた。Ashai Linuxの創立者でプロジェクト責任者のHector Martin氏は、「プロジェクトは2021年後半に始まり、『Arch Linux ARM』のリリースと並行して、2022年に作業を開始した」と説明する。
Martin氏によると、同プロジェクトは「Appleシリコン搭載マシンで、Linuxの全ディストリビューションを完全にサポート」するために始まったという。「最初の頃は、複数のディストリビューションで共有できるカーネルとブートローダーに集中的に取り組んだ」。 そうした労力が、M1/M2対応の本格的なLinuxディストリビューションとして結実した。このRemixは、11月にリリースされた「Fedora Linux 39」を基盤とし、Linuxカーネル6.5.6を使用している。
デスクトップ環境は、「KDE Plasma 5.27 Long Term Support (LTS)」がデフォルトとなっている。KDE以外にも、「GNOME 45」に対応する。
いずれも「Wayland」ウィンドウシステムがプリインストールされており、「X11」のレガシーアプリケーション向けに「XWayland」も統合。さらに、Appleシリコン向けに世界で初めて「OpenGL ES 3.1」実装の認定を取得し、グラフィックスサポートにおいて画期的な進展を遂げている。
Fedora Ashai Remix 39のインストールは簡単だ。新しいプロジェクトのため、まだバグもあるが、LinuxとAppleシリコン搭載ハードウェアを橋渡しする、大きな前進と言えるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。