東芝インフラシステムズは、アイシングループのアドヴィックスから、倉庫運用管理システム(WES)をベースとした統合管理システムを受注したと発表した。4月にアドヴィックスの半田工場で導入を予定している。
アドヴィックスは自動車用ブレーキシステムの開発・生産・販売を行う企業。この統合管理システムは、物と情報をQRコードでひも付けて可視化し、作業員に必要な通知をする。これにより、各工程での製造部品の滞留や作業待機時間を低減させる。
同システムのベースとなるWESは、東芝インフラシステムズが開発したもので、人の作業を管理する倉庫管理システムと機械の制御を管理する倉庫制御システムを連携させている。アドヴィックスは、トレーを活用した製造工程を構築し、自動車用ブレーキシステムを製造している。新システムでは、QRコードをトレーに付けてトレーの位置を可視化する。
システムの導入後、トレーの情報はシステム経由で所定のPC画面で表示することが可能となり、作業員はリアルタイムにトレーの位置状況が分かる。そのため、トレー到着のタイミングを予測した上で、到着を待たずに作業を開始でき、作業生産性向上と部品在庫の適正化が実現するという。
システムのイメージ
従来アドヴィックスでは、各工程でトレーの到着をきっかけに作業を開始していた。そのため作業員はトレーの到着まで作業を開始できず、次の作業がいつ必要となるかも不明となっていた。このような事情から、作業員の待ち時間が増加することになっていた。さらに、作業者自身の判断で別のラインからトレーや部品在庫を持ってきて作業を開始することもあり、各工程で多くの部品在庫を抱えるといった状態となっていた。
アドヴィックスは今後、今回導入したシステムでデータを蓄積するとともに現場の意見を吸い上げた拡張システムの導入も検討する。東芝インフラシステムズは、各ラインへの製造部品の最適振り分けなど、製造現場全体の生産性向上につながる機能改善を提案する。