この1年間でさまざまな人工知能(AI)ツールの使用が爆発的に拡大し、想像もしなかった分野で生成AIの開発が始まっている。OpenAIの「ChatGPT」が2022年秋にリリースされたことを受けて、Google、Microsoft、Metaはそれぞれ「Bard」「Bing Chat」(「Copilot」とも呼ばれる)、「Meta AI」という独自のAIチャットボットを急いで開発した。
さらに、MicrosoftはBing内でも画像生成AIをリリースした。この画像生成AIでは、OpenAIの最新のビジュアルプロジェクト「DALL-E 3」が使用されている。DALL-E 3が組み込まれるまで、Microsoftは自社の画像生成AIでDALL-Eの古いバージョンを使用していた。DALL-E 3には、画質の向上、プロンプト処理の精度の向上、画像内のディテールの強化などの利点がある。同社は、この画像生成AIツールの名称を「Bing Image Creator」から「Image Creator from Microsoft Designer」に変更した。
Image Creator from Designerは、Copilot(以前はBing Chatと呼ばれていた)を通してアクセスできるほか、同ツールのウェブサイトで直接利用することも可能だ。ChatGPTのようなAIチャットボットにプロンプトを入力するのと同様の方法で、簡単に使用できる。
Image Creator from Designerを使用する方法

Image Creator from Designerで生成されたこの画像を見て、その辺を徘徊していた本物のドードーだと信じる人はいるだろうか。
提供:Maria Diaz via Bing Image Creator/ZDNET
必要なもの:Image Creator from Designerを使用するには、Bing.comへのアクセスが必要である。OpenAIのアカウントは不要だ。Image Creatorには、新しいBingのCopilotを通してアクセスするか、あるいは、Bing.com/Createからアクセスすることが可能だ。本記事では、Image Creator from Designerのサイトで直接画像を生成する方法を解説するが、下の「よくある質問」で、新しいBingのチャットウィンドウ内で画像を生成する方法についても説明する。
1. Image Creator from Designerに移動してログインする
Image Creator from Designerにアクセスするのに、「Microsoft Edge」は必要ない。Bing.com/Createに移動して、「Join & Create」(参加して作成)をクリックし、Microsoftアカウントにログインするだけで、画像生成AIにアクセスできる。

Image Creator from Designerのホームページで、「Join & Create」(参加して作成)をクリックする。
提供:Screenshot by Maria Diaz/ZDNET
2. プロンプトを入力する
次に、Image Creatorに生成させたい画像の説明を入力する。AIチャットボットを使用する場合と同じように、可能な限り詳しく説明した方が、求めている結果を得やすくなる。
テキストフィールドにプロンプトを入力した後、「Create」(作成)をクリックする。

テキストフィールドにプロンプトを入力する。
提供:Screenshot by Maria Diaz/ZDNET
ここでは、「熱帯地方の明るく照らされた家で、コンクリートの床に座っているドードーの写真」と入力する。次に、「Create」(作成)をクリックして、画像が生成されるのを待つ。
3. 結果を確認する
画像の準備ができたら、結果を確認する。通常、DALL-E 3とImage Creator from Designerはどちらも、1つのプロンプトにつき4枚の画像を生成して表示する。
画像は素晴らしいものばかりではない。多くの場合、無料の画像生成AIは、本物のような画像を作成できるほど高度な性能を備えていないからだ。そのため、人の指や目の位置、コンピューターのキーボードのキーなど、細部に誤りが含まれる場合もある。
下の画像を見ると分かるように、生成された画像は、筆者がImage Creatorに入力したプロンプトをほぼ正確に表現している。絶滅した鳥の画像を作成するようImage Creatorに伝えるのは、大きな賭けだった。ドードーは17世紀に絶滅しているため、DALL-E 3の訓練にドードーの画像はそれほど使用されていないからだ。Image Creatorが生成した画像には、ペリカンやオオハシに似た部分がいくつかあるが、全体的に見ると、ほぼ正確である。

このImage Creator from Designerのプレビュー結果は、筆者が入力したプロンプト(スクリーンショット上部の緑色の線で囲まれた部分)に基づいて生成されたものだ。
提供:Screenshot by Maria Diaz/ZDNET
4. 画像をダウンロードする。
生成された画像を確認した後、下の画像をダウンロードすることにした。画像をクリックすると拡大表示され、「Share」(共有)「Save」(保存)「Download」(ダウンロード)「Feedback」(フィードバック)のオプションが提示される。1枚の画像をダウンロードしてもいいし、すべての画像をダウンロードしてもいいし、1枚もダウンロードしなくてもいい。
このツールとDesignerの統合を受けての新機能として、Microsoftは画像を素早くカスタマイズできる機能も追加した。「Customize」(カスタマイズ)をクリックすると、Microsoft Designerが開く。

4枚の画像の中で、筆者が最も気に入ったのがこれだ。
提供:Screenshot by Maria Diaz/ZDNET
よくある質問
Microsoft CopilotやBing Chatを使って画像を生成することは可能なのか
Image Creator from Designerを使用する方法は2つある。すでに説明したように、Bing.com/Createにアクセスして画像を生成するか、あるいは、GPT-4を搭載したCopilot(新しいBingとも呼ばれる)から直接イメージを生成することが可能だ。

GPT-4を搭載したCopilotに、「ゴールドのアクセントとフォレストグリーンのカーテンのある部屋で寝ている怠惰なパンダの写真を作成してほしい」と頼んだ。
提供:Screenshot by Maria Diaz/ZDNET
チャットウィンドウから直接Image Creator from Designerに画像を作成してほしいと伝える手順は、以下の通りだ。Microsoft Copilot AIチャットボットの場合も、プロセスは同じである。
- Microsoft Edgeを開く
- Bing.comに移動する
- 「Chat」(チャット)をクリックする
- プロンプトを作成する。「画像を作成」「写真を生成」などのフレーズで始めてもいいが、必須ではない。GPT-4を搭載したCopilotは通常、ユーザーの意図をくみ取ってくれる。
Copilotは、会話のスタイルが「Creative」(より創造的に)「Balanced」(よりバランスよく)「Precise」(より厳密に)のどれに設定されていても、画像を作成することができる。
Copilotを使用して画像を生成するメリットの1つは、追加の質問をして、Copilotに画像を調整させることが可能であることだ。Copilotは、「猿に帽子をかぶらせることはできるか」「『Vespa』の色を青に変える」といったプロンプトを提案してくれる。
免責事項:AIが生成した画像の使用は、著作権侵害につながる可能性があるため、商用目的の場合には注意が必要である。

Image Creator from Designerで、「スタジオでデジタル一眼レフカメラを使って写真を撮るロボットの写真」というプロンプトから生成された画像。
提供:Maria Diaz/ZDNET via Image Creator from Designer
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。