調査

燃え尽き症候群、セキュリティ/IT担当者の多くが経験

Eileen Yu (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2024-02-08 11:40

 アジア太平洋(APAC)地域の6つの市場では、サイバーセキュリティ/ITプロフェッショナルの約90%がバーンアウト(燃え尽き症候群)や疲労による悪影響を実感しており、その主な原因として自らの組織が直面しているリソース不足を挙げている。

南京錠のイメージ
提供:Andriy Onufriyenko/Getty Images

 Sophosが公表した調査結果によると、バーンアウトは生産性の低下とデータ侵害を誘発する最大の要因になっている。Tech Research Asiaが実施したこの調査には、オーストラリアとインド、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポールにおける919人のサイバーセキュリティ/ITプロフェッショナルに対するオンライン調査の結果が含まれている。

 自身またはIT部門の同僚が疲労やバーンアウトを「頻繁に」または「時々」経験したという回答が最も少なかった国は日本(69%)であり、それ以外の5つの国では80%を超えていた。APAC地域全体の平均では85%だった。

 過去12カ月間でバーンアウトのレベルが急激に上昇したとする回答者は約90%だった。また、インドと日本では同期間で疲労やバーンアウトのレベルが「著しく上昇した」とする回答はそれぞれ48%と38%だった。

 業務への影響に関する設問では、バーンアウトによる生産性の低下が4.1時間/週という結果になった。平均値で最も影響が大きかったのはフィリピンの4.6時間/週、次いでシンガポールの4.2時間/週だった。インドと日本は最も影響が少なく、ともに3.6時間/週だった。

 また、APAC地域全体で見ると約17%のプロフェッショナルは、疲労とバーンアウトが自らの組織におけるサイバーセキュリティ侵害の一因、あるいは直接的な要因だったと回答している。この数値はインドで最も高く25%となっており、次いでシンガポールの23%、マレーシアの21%、オーストラリアの19%となっている。

 さらにAPAC地域の17%のプロフェッショナルは、バーンアウトによってサイバーセキュリティインシデントの対応が遅れたと回答している。この問題を実感している回答者が最も多いのはインドとマレーシアの組織(それぞれ22%)であり、その後にシンガポール(20%)、フィリピン(19%)、オーストラリア(17%)が続いている。

 またAPAC地域全体で見た場合、バーンアウトのさなかに自らの業務に集中できなかったと感じた回答者は41%となっており、セキュリティ侵害やサイバー攻撃の発生時に不安がより高まったとする回答者も34%いた。そして、退職したい、あるいは転職したいという気持ちが高まったとする回答者も30%おり、その思いを行動に移した回答者も23%いた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]