「ChatGPT」の標準版は、コーディングや文章作成、複雑な話題の解説といったタスクをとても上手にこなすという点で既に実績があると言ってよいだろう。
提供:Sabrina Ortiz/米ZDNET
このため、企業がChatGPTを自社のユースケースで活用し、業務を最適化していきたいと考えるのも無理のない話だ。これを受け、開発元のOpenAIは企業向けに2つのプランを提供するようになった。それが「ChatGPT Enterprise」と「ChatGPT Team」だ。
まず、ChatGPTが初めて登場してから9カ月後となる2023年8月にChatGPT Enterpriseが登場した。このプランは、大企業レベルの強固なセキュリティ能力と、業務向けのユースケースを念頭に置いて用意された追加機能を提供するものだ。
そして2024年1月、OpenAIは同様のセキュリティプロトコルを搭載しつつ、少し色合いの異なるプランを追加した。以下では、ChatGPT EnterpriseとChatGPT Teamのいずれのプランが自社のニーズに合致しているのかを判断する上での一助として、これら2つのプランの違いについて解説する。
ChatGPT Enterpriseを使うべき組織
提供:OpenAI
1. チームメンバーが少なくとも150人いる
これらのプランを分ける最大の違いは、ChatGPT Enterpriseがより規模の大きな配備を想定しており、最低でも150人での利用を規定しているところにある。つまり、ChatGPT Enterpriseの利点を享受するには少なくとも従業員が150人以上いる必要があり、この条件に満たない企業やチームは利用の対象外となる。
ただ、自社のチームが150人に満たない場合でも、心配する必要はない。OpenAIが最近になって提供を開始したChatGPT Teamというプランの最小ユーザー数はわずか2人だ。登録は容易で、料金は年間契約の場合、1ユーザーあたり月額25ドル(約3700円)となっている。
2. OpenAIが提供する最高の性能を使いたい
ChatGPT Enterpriseを使えば、最新の機能/モデルを最高のモデル品質で利用できる。ただChatGPT Teamでも、「GPT-4 with Vision」や、音声の入出力能力、GPTの作成/共有能力、画像生成能力、ブラウジング能力といった先進機能は利用できる。
とは言うものの、ChatGPT Enterpriseの場合、ユーザーは「Advanced Data Analysis」(高性能データ分析)への無制限のアクセスや、全モデル中で最高の応答速度、ChatGPT Teamの4倍のサイズを有するコンテキストウィンドウを手にできる。またこのプランを選択したユーザーには、優先サポートや、専用のオンボーディング支援、継続的アカウント管理、カスタムセキュリティレビューといった、最も手厚いカスタマーサービスが提供される。