プロンプト作成の負担を軽減--セールスフォース、生成AIの取り組み解説

大場みのり (編集部)

2024-03-18 14:50

 セールスフォース・ジャパンは3月15日に説明会を開催し、生成AIに関する同社のプラットフォームや機能について解説した。

 現在、数多くの業務アプリケーションにおいて「ChatGPT」をはじめとした汎用(はんよう)的な生成AI機能の搭載が進んでいる。生成AIは、ユーザーインターフェース(UI)、大規模言語モデル(LLM)、パブリックデータの3層で構成されている。

セールスフォース・ジャパン 製品統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏
セールスフォース・ジャパン 製品統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏

 製品統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏によると、同社はこの1年間で多くの顧客と対話し、一般消費者も利用する汎用的な生成AI機能を企業が利用する上での課題をヒアリングしたという。例えば、AIの信頼性・安全性、複数のアプリケーションに散在するデータの集約、モデルのトレーニングコスト、自社のワークフローとの統合に関して懸念や課題がある。

 その上で同社は、企業の従業員が日々利用するシステムの中でAIを活用できること、社内のデータを活用して自社のブランド価値や顧客の要望に沿った回答を生成すること、高い安全性のもとAIを利用することが必要だとしている。しかし、企業が利用するアプリケーションは多岐にわたるほか、複数のデータ基盤や生成AIを利用していることもある。

 Salesforceが提供するAIプラットフォーム「Einstein1 Platform」では、社内のあらゆるデータをリアルタイムデータプラットフォーム「Salesforce Data Cloud」に格納し、従業員は同社の顧客関係管理(CRM)アプリケーション上で生成AIを利用できる(図1)。

 加えて、Einstein1 Platform内の「Einstein Trust Layer」は、生成AIの安全な利用を可能にするという。ユーザーがプロンプト(指示文)を入力すると、安全なデータ取得、動的グラウンディング(人間らしい言葉の解釈)、データのマスキングを行った上で、外部に保存することなく回答を生成する。その後はマスキングの解除、有害性の検出、監査履歴の保存を行う。

 Data Cloudでは、CRMアプリケーション内のデータだけでなく社内のあらゆるデータを集約できる。同ソリューションは、外部のデータレイクやデータウェアハウスと統合するコネクターやAPI連携を行う「MuleSoft」を搭載している。

図1:Einstein1 Platform 図1:Einstein1 Platform
※クリックすると拡大画像が見られます

 Salesforceは、自社のCRMアプリケーションにおいて複数の生成AI機能を提供している。例えば「セールスメール」では、顧客に送るメールを作成する際、「担当者の変更」「提案」といったメニューを選択するとメールが自動生成される。「通話サマリー」では、顧客とのオンラインミーティングの内容を要約。「サービス返信」では、顧客の問い合わせ内容やCRMのデータに基づき回答を自動生成する。

 GUCCIは、店舗で行っているきめ細やかな接客をデジタルチャネル上でも実現するため、Salesforceの生成AI機能を活用している。この機能により同社のカスタマーサービスでは、会話が30%増加したという。

 セールスフォース・ジャパンは2024年夏以降、対話型生成AIアシスタント「Einstein Copilot」の提供を予定している(図2)。同機能は、Salesforceの全アプリケーションで利用できるため、例えばカスタマーサービス部門の従業員がEinstein Copilotに質問すると、営業部門やマーケティング部門のデータも活用して回答する。

図2:Einstein Copilot 図2:Einstein Copilot
※クリックすると拡大画像が見られます

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]