NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月25日、NTTが開発する大規模言語モデル「tsuzumi」を用いた商用サービスを開始すると発表した。顧客体験(CX)、従業員体験(EX)、事業継続性強化の3つのソリューションメニューを展開するほか、tsuzumiを使ったアプリケーション開発とtsuzumiを業界・業務特化型として開発していくパートナーシッププログラムを5月に開始する。
CXソリューションでは、チャットボットやアバター、生成AIなどを利用する新たな顧客体験を実現する顧客応対の「カスタマフロントソリューション」と、コンタクトセンターでの顧客との通話内容からナレッジの抽出と会話サンプルの生成を行い、オペレーター研修やFAQ(よくある質問と回答)の高度化に活用する「コンタクトセンターソリューション」を用意する。
EXソリューションでは、金融と医療、行政、小売、運輸などの業務向けに、業員の生産性向上につなげる。顧客のプライベート環境で生成AIの動作環境を構築し、社内に閉じた業務マニュアル、製品仕様書、設計書といった秘匿性の高いデータを使った学習を行い、顧客の業務プロセスに沿った業務改善を支援する。
事業継続性強化では、ITシステム運用の自動化に加え、顧客組織のシステム情報とセキュリティ情報を学習したAIが対応アドバイスを生成し、顧客環境に基づいたシステムやセキュリティの運用を支援する
また、パートナーシッププログラムは、パートナーが保有している業界特化データとtsuzumiを組み合わせて業界・業務に特化した新しい大規模言語モデルを共同で構築・展開する「Model Partner」、パートナーの提供サービスとtsuzumiにプロダクト連携を図る「Solution Partner」、パートナーにtsuzumiの検証環境と個社別チューニングの各種教育コンテンツを提供する「Integration Partner」の3種類を設定している。
NTT Comは、今後高発熱サーバーを冷却する環境配慮型データセンター「Green Nexcenter」を組み合わせたソリューションや、オンプレミス環境での利用に対応したソリューションも提供していく予定だという。