日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、消費者を対象に行った生成AIに関するアンケート調査の結果を発表した。企業が提供する生成AIに対して、時間短縮や質の向上などの効果を期待していることが分かった。
調査は、2月26~28日に国内在住の18~79歳を対象としてウェブでアンケートを行い、1449人が回答した。
まず生成AIの利用状況は、「よく利用している」が2.6%、「利用したことがある」が15.6%で、最多は「知っているが利用したことはない」の64.2%だった。特に18~20代男性は利用経験が40.2%で、ほかの世代より20%以上高いことが判明した。
生成AIに対するイメージの上位は、「先進的、最先端」(41.1%)や「役に立つ、使える」(22.2%)だったが、3位は「なんとなく怖い」(21.3%)、4位は「特にない」(18.8%)で、ポジティブな印象とネガティブな印象に分かれた。
生成AIを使ったサービスへの期待と不安は、回答者全体の傾向では「どちらともいえない」が多く、生成AIを「よく利用している」とした回答者では「とても期待している」が最多だった。「利用したことがある」「利用したことはない」とした回答者の最多は「どちらともいえない」で、「不安がある」とした回答者は利用経験の有無に関わらず低い傾向だった。具体的な不安の上位は、「誤った情報が世の中に拡散されること」(42.4%)や「誤った情報が自分に提供されること」(40.7%)が挙げられた。
企業が生成AIを使ったサービスを提供することへの期待では、「商品やサービス提供までの時間が早くなる」が26.5%で最も多く、「商品やサービスの質が向上する」が21.3%で続いた。3番目に多いのは「特に期待していない」の20.3%、4番目に多いのは「商品やサービスの料金が安くなる」の19.0%だった。
ウェブサービスやアプリの利用時に個人情報やプライバシーに関する情報を提供することに対しては、42.4%が「やや抵抗がある」、24.7%が「とても抵抗がある」と後ろ向きの回答者が多く、「あまり抵抗がない」は10.8%、「まったく抵抗がない」は2.8%と、前向きな回答者は少数派だった。「どちらともいえない」は19.3%だった。