Oracleは米国時間5月10日、マーケティング、営業、カスタマーサービス担当者の取引サイクルの加速を支援する「Oracle Fusion Cloud Customer Experience」(Oracle Fusion Cloud CX)の新しいAI機能を発表した。同機能は、時間のかかる作業を自動化し、担当者が的確にターゲットを設定して顧客にサービスを提供できるようにすることで、より多くの売り上げの迅速な創出を手助けする。
Oracleは、50以上の生成AIのユースケースをサポートしている。これらのユースケースは「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」に組み込まれ、顧客の企業データ、プライバシー、セキュリティを尊重するように設計されているという。
「OCI Generative AI Service」では、顧客のデータが大規模言語モデル(LLM)プロバイダーと共有されたり、ほかの顧客に公開されたりすることはない。社内のデータでトレーニングされたカスタムモデルを使用できるのは、その企業のみとしている。機密情報保護の促進に向けて、ロールベースのセキュリティを「Oracle Fusion Applications」のワークフローに直接組み込んでおり、同ワークフローではエンドユーザーに閲覧権限があるコンテンツのみを推奨する。
- 生成AIによる回答作成支援機能:顧客からの質問に対して文脈を考慮した回答を自動的に作成することで、カスタマーサービス担当者の作業負荷を軽減する。「Oracle Service」の同機能は、「Oracle Digital Assistant」を活用して顧客からの問い合わせを管理・回答することで、カスタマーサービス担当者の対応時間を短縮し、より複雑なタスクに集中することを可能にする
- フィールドサービスのスケジューリング支援機能:空き状況、場所、スキル、請求状況などの主な要因を考慮し、適切なタスクを自動的に推奨することで、フィールドエンジニアのスケジュール最適化を支援する。Oracle Serviceの同機能は、推定される業務時間と移動時間に基づいて自動的にタスクを推奨することで、サービスの生産性と顧客満足度を向上させる
- 「Oracle Unity Customer Data Platform」のAIモデル:ターゲットアカウントの担当者を特定することで、クロスセル/アップセルの活動を効率化する。これにより、営業とマーケティングの担当者がより多くの企業間取引案件を獲得し、アカウントごとの収益向上を支援する
- マーケティング/営業向け生成AIオーサリング支援機能:魅力的なコンテンツの作成を支援することで、マーケティング/営業担当者が顧客に一層寄り添い、取引サイクルを加速できるようにする。「Oracle Marketing」と「Oracle Sales」の同機能は、メールやランディングページ向けのテキストなど、マーケティング/営業関連のコンテンツを作成することで、顧客エンゲージメントの向上を手助けする
- 営業担当者向けエンゲージメント推奨機能:営業担当者が顧客エンゲージメントを高め、購買決定の促進を支援する。Oracle Salesの同機能は、具体的な製品を提案するとともに、顧客企業の担当者の役割、関心の度合いに関するインサイト(洞察)、重要な商談のための追加連絡先などを営業担当者に提供することで、取引の成立を後押しする