リモートアクセスは、Raspberry Piのポテンシャルを最大限に引き出す上で障害となる場合がある。多くの愛好家は「RealVNC」のようなツールを使うが、無料版にある制限は、特にアクセススポットが限られている場合、いら立ちの原因となる。
そこで「Raspberry Pi Connect」の出番となる。Raspberry Pi Connectは、Raspberry Piコミュニティーが心待ちにしていたリモートデスクトップツールだ。アクティブなインターネット接続があれば、Raspberry Piデバイスに対するシームレスなリモート管理をブラウザーから直接可能にする。
Raspberry Pi Connectを使用するには、ハードウェアが「Raspberry Pi 5」「Raspberry Pi 4」「Raspberry Pi 400」であり、「Wayland」ウィンドウサーバーを利用する「Bookworm」版「Raspberry Pi OS」の64ビットディストリビューションが動作している必要がある。
また、「Raspberry Pi ID」も必要だ。まだ持っていない場合、設定は簡単で無料、すぐにできる。
Raspberry Pi Connectにより、世界中どこにいてもRaspberry Piを前にしているようになる。 提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET
利用を開始したいと考えている人たちに向け、広範囲にわたるステップバイステップのドキュメントが用意されているので、迷わず作業を進めることができる。これには、Raspberry Piのアップデート、Raspberry Pi Connectのインストール、Raspberry PiハードウェアとRaspberry Pi IDのひも付けなどが含まれる。
設定完了後、各Raspberry Piは、ユーザーのアカウントからの認識が可能となる。デバイスがインターネットに接続されている限り、ブラウザー経由で直接アクセスでき、リモートから簡単に操作・管理できる。
Raspberry Pi Connectは、Raspberry Piデバイスへのリモートアクセスを可能にする待望の新ツールだが、現在はベータ版ということに注意する必要がある。Raspberry Piでソフトウェア担当最高技術責任者(CTO)を務めるGordon Hollingworth氏は、同社ウェブサイトのブログ投稿でこのことを認め、ツールがまだ開発途上にあり「時折、制限や不完全さ」に遭遇する場合があるとする。
また、Hollingworth氏は、Raspberry Pi Connectがリレー接続をしない個人ユーザー向けには今後も無料のままであることを約束している。リレー接続については、現在、単一のリレーサーバーしか用意されておらず、「帯域幅の使用状況を見ながら、そのような接続を今後どう扱うかを決めたい」としている。
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。