アリババ、AIとクラウドを両輪とした成長戦略を発表

Eileen Yu (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)

2024-05-28 09:42

 中国の阿里巴巴集団(アリババグループ)は、アジアの主要市場に新しいデータセンターを開設し、クラウドのフットプリントを拡大する計画を明らかにするとともに、人工知能(AI)を成長の原動力と位置づけた。

 アリババグループで会長を務める蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏と最高経営責任者(CEO)を務める呉泳銘(エディ・ウー)氏は、2024会計年度決算の発表後に公開した株主宛の共同書簡で、「今後10年間で、AIがもたらす破壊的な影響を免れる業界はないだろう」と述べている。同社の報告によれば、2024会計年度通期(3月31日締め)の売上高は、前年比8%増となる9411億6800万人民元(約20兆3900億円)だった。また、純利益も713億3200万人民元(約1兆5500億円)と、前年から9%増えている。

 AIが世界中で変化を引き起こすなか、アリババグループは自社のあらゆる事業を成長させるべくAIに目を向けており、どの事業でもユースケースを提供できるようになると、ツァイ氏とウー氏は株主宛の書簡に記している。

 また、AIを「当社の事業に変化をもたらし、成長を加速させる唯一の最も強力な要素」と位置付け、AIの導入はコンピューティング需要をかき立て、ひいては当社のクラウド事業を成長させるはずだとも述べている。

 両氏は、「AIは脅威ではなく、画期的なユーザーエクスペリエンスとビジネスモデルを実現する原動力として、極めて大きなチャンスをもたらすものになるはずだ」として、「毎日のように見られるAIの絶え間ない驚異的な進歩についていけなければ、当社は撤退を余儀なくされるだろう」と指摘した。

 そのためにアリババグループは、複数の事業でさまざまな投資目標を掲げている。クラウドと並ぶ中核事業であるEコマース事業もその1つで、これにはショッピングサイトの「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tモール)」を手がけるグループや、阿里巴巴国際数字商業集団(Alibaba International Digital Commerce Group)が含まれる。後者はまだ設立されたばかりで、先行投資が必要な段階だが、タオバオとTモールのグループは事業が成熟期に入っており、イノベーションを加速する必要があると、両幹部は指摘した。

 一方、クラウド事業でアリババグループが目指しているのは、中国の主要なパブリッククラウドインフラプロバイダーとなり、エラスティックコンピューティングやセキュリティからAIまで、幅広いサービスを提供することだ。ただし、このようなパブリッククラウド事業に注力するには、利幅の少ないプロジェクトから短期的な収益を得ることをあきらめる必要があると、両氏は指摘している。

 また、中国の大手テクノロジー企業である同社は、データセンターのフットプリントを世界的に拡大することにも目を向けており、複数の主要市場でデータセンターの新設を計画している。

 具体的には、阿里云(アリババクラウド)がメキシコに初のクラウドリーションを立ち上げるほか、今後3年間で、韓国、マレーシア、タイ、フィリピンにデータセンターを追加する予定だ。国外市場へのこうした投資は、クラウドやAIの製品やサービスを世界中で強化しようというアリババグループの取り組みの一環だと、アリババクラウドはフランスで現地時間5月23日に発表した声明で述べている。

 さらにアリババクラウドは、「Model Studio」と呼ばれる生成AI開発プラットフォームを、シンガポールにあるアベイラビリティーゾーン経由で、中国外の顧客がまもなく利用できるようになると語った。これにより、顧客は同社の大規模言語モデル「通義千問(Tongyi Qianwen(Qwen))」にアクセスできるようになる。

提供:Alibaba
提供:Alibaba

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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