日立ヴァンタラは5月30日、ミッドレンジストレージの新製品「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One) 2U Block Appliance」を発売した。性能影響を抑えたデータ圧縮でデータ量の増大と分析・活用ニーズに応える「効率性」、システムの安定稼働を支えランサムウェアから重要データを守る「信頼性」、省電力・省資源化でサステナブルな社会の実現に貢献する「環境配慮」を特徴としている。
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VSP Oneは、オンプレミスやクラウドの環境でもデータを柔軟かつ一元的に利用できる単一のハイブリッドクラウド・データプラットフォーム。VSP One 2U Block Applianceは、従来のアーキテクチャーを刷新し、生成AIの活用などにより増大するデータ管理の効率性を高めている。
具体的には、新たなデータ圧縮機能で増大するデータの管理の効率化を図っている。圧縮性能を高めた新アルゴリズムの採用により、平均75%のデータ削減率(同社調べ、以下同)を実現。日立独自の圧縮アクセラレーターハードウェアの強化などにより、機能利用時の入出力(I/O)性能を約2倍に向上した。ドライブ一台単位での増設を可能にする分散RAID機能により、実際の必要容量に応じた無駄のない増設、拡張が可能となっている。
また、ランサムウェア攻撃時に改変、削除されない最大1024世代の高頻度、長期間なスナップショットの作成により、長期潜伏型攻撃などの被害にあっても取得したスナップショットからデータを復元可能となっている。データのリストアにかかる時間も従来の数日から数秒に短縮されている。スナップショット作成時の処理を改善することで、取得時のI/O性能を約5倍に向上している。
さらに、データ圧縮・重複排除機能による容量削減効果で、稼働時の消費電力量を約66%削減する。新たに追加されたストレージ制御機能により、I/O負荷の低い時間帯に消費電力を抑える仕組みとなっている。また、筐体ベゼルの40%に再生材を使用したり、回収した製品から部品を取り出し、選別や試験をクリアしたものを再利用したりすることで省資源化も実現。標準で7年間の保守サービスに対応しており、ストレージ製品の長期利用につながるとしている。これらの成果を、カーボンフットプリントなどの第三者認証を通じて可視化する取り組みも進めている。
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