AIが仕事と生産性に与える影響

従業員の生成AI活用を推進--楽天の3段階のトレーニングプロセス - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2024-07-10 07:30

 Bonomi氏は、ELBの3時間のプロンプトエンジニアリングワークショップを、それぞれ1時間の3つのセッションに分割した。各セッションで焦点を当てるのは、ChatGPTとプロンプトエンジニアリングの使用、エージェントとの会話における複数のレイヤーの導入、ケーススタディのタスクへのAIの応用だ。

 その後、スタッフの知識に磨きをかけるため、ELBと協力して1時間のラボを開催した。

 「トレーニングを受講した人は誰でもラボに参加できた」とBonomi氏は語る。「それらのラボに立ち寄って、ELBに何でも質問することができた。スタッフは自らの知識を活用して、互いから学んだ。素晴らしい時間だった。その後、学んだ内容を全社で共有し、ワークショップに参加しなかった人も学習できるようにした」

 そのワークショップとラボを、認定によって強化している。「第2段階は、AIツールを使うために必要なスキルのトレーニングと開発が目的だ。スタッフが知識を得たことを証明する認定を設けている」

第3段階:タスク

 Bonomi氏は、スタッフが2024年中に第3段階に入り始めると見込んでいるという。この最終段階では、トレーニングと認定を受けた人がタスク固有のユースケースへと進む。

 「ChatGPT内でエージェントを構築することで、ビジネスや会社に直接影響するテストを特定していく。また、キャップストーンプロジェクトがある」とBonomi氏。

 「しかし、この段階はキャップストーンプロジェクトだけで構成されるわけではない。『事業部門やそれに類するものの戦略ロードマップを作成』することになる」

 楽天はこの第3段階において、AIの導入による潜在的な役割の変化を調査して解明する、とBonomi氏は述べた。

 「この段階で重要なのは、『ChatGPTの使い方と活用方法は分かった。この技術を組織や役割にどう組み込んでいくか』という点だ。その時点で人事担当者と協力して、そのプロセスを支援してもらう」

AIを次のレベルに

 Bonomi氏は、このプログラムを拡大する新しい方法を探し続けたいと考えている。ChatGPTだけに焦点を当てるのではなく、楽天の従業員が自信を持ってあらゆる形態のAIを使用できるようにすることが目標だ。

 「これらのワークショップやトレーニングを展開する中で、また、チームとの会話やサポートセッションを通じて、スタッフが尻込みする原因や必要な追加トレーニングが分かるにつれて、可能性が無限大に開けたと感じることが多くなっている」とBonomi氏は述べた。

 「他にどのようなAIアップグレードが登場するのか、完全に把握している人はいない。こうしたアイデアが出てくる中で、ELBとの連携を継続することが、私の長期戦略だ」

 Bonomi氏によると、楽天は従業員が生成AIをパーソナルアシスタントとして使用して生産性を高める方法が分かり始めているという。それは同氏が自身の役割で感じていることでもある。

 「やりたくない作業をすべてAIに任せて、クリエイティブな分野、戦略、共同作業にもっと多くの時間を費やせるようになる日が待ち遠しい」

 同氏は、自社のAIスキル向上を望む他のビジネスリーダーに対して、トレーニングプログラムを作成するようアドバイスしている。

 「今すぐAIに手を出そう。他の人が学んでいるうちに学べば、取り残されることはないし、成長するAIに一枚かむことができる。先述した全員参加の会議で、セッションの最後に私のチームの言葉を引用した。『未来を予測しようとするのではなく、未来を創造する一員になるのがどのようなことなのか、想像してほしい』」と同氏は語る。

 「これこそが、AIがわれわれにしてくれることだ。自社の効率、団結力、協調性を高めるために、組織でさまざまなことをやりたいだろう。AIはそのような変化を起こすことができる手段だ」

提供:shunli zhao/Getty Images
提供:shunli zhao/Getty Images

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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