SlackのWorkforce Labが実施した調査によると、デスクワーカーのAI使用は2024年1月から23%増加し、2023年9月以降では60%増加したという。また、このデータではAIによる生産性の向上が示されている。
調査の対象は、全世界のデスクワーカー1万人以上だ。デスクワーカーとは、「フルタイム(週30時間以上)の勤務」を行い、主に経営幹部、上級管理職、中級管理職、または下級管理職といった役職に就いており、「データを扱う仕事、情報を分析する仕事、創造的思考を伴う仕事」に従事する者、とWorkforce Labの調査方法で定義されている。
この調査で、AIユーザーの81%が、AIツールによって生産性と仕事の質の両方が向上したと回答した。また、AIを使用する従業員の方が、従業員エンゲージメントの他の指標のスコアが高いことも明らかになった。これには以下のような指標がある。
- +13%:必要なメンバー、ファイル、リソースにアクセスできる
- +18%:ワークライフバランスがとれている
- +23%:ストレス管理能力がある
- +24%:仕事についての全体的な満足度
- +25%:柔軟性がある
- +29%:仕事に強い情熱を感じている
調査で明らかになった他の重要な点は以下のとおりだ。
- AIツールを事業運営にいち早く取り入れたいと考える経営幹部が2024年1月から7倍に増加。AIの導入は、インフレなどの経済状況への対応を上回る重要な課題となっている。
- デスクワーカーの73%が、AIが大きな話題になっているのは当然のことであり、AIテクノロジーは実際に「大きな影響力をもたらすだろう」と回答。AIツールの利用経験者ほど、その確信の度合いが高い。
- 意欲の高まり:現在、世界のデスクワーカーの47%が、AIを使って仕事をすることに意欲を示している(2024年初頭の時点では42%)。
- 仕事でのAI利用に対する関心の度合いは、年齢と性別によって異なる。「若い人ほどAIに意欲を示しており、18~29歳の55%が、AIと自動化によって仕事の一部を処理することに期待を寄せていると回答した。一方、60歳以上では、この割合は33%にとどまる」と調査レポートで説明されている。
AIには生産性向上以外にも多くの利点があることを示した調査もある。生成人工知能(AI)を顧客関連の取り組みに利用している企業は、生産性だけに力を入れている企業と比べて、5年後の売り上げが25%高い可能性があることが、Accentureの調査で明らかになった。
大規模なパーソナライゼーションと効率向上を目指すマーケティング担当者は、AIの導入を最優先事項と最大の課題に位置付けている。最新の2024年版「State of Marketing Report」では、3分の1のマーケティングチームがワークフローにAIを導入したことが明らかになった。
AIはやわかり: AIの導入、増加率、生産性の利点。
提供:Slack
しかし、Slackの調査では、デスクワーカーの3分の2がまだAIツールを試していないことも分かっている。世界のオフィスワーカーの約半数がAIの使用に意欲を示す一方で、93%が業務タスクにおいてAIの出力を完全に信頼できるものとは考えていない。