伊藤忠丸紅鉄鋼、NTT Com、メタル便の3社、鉄鋼物流の脱炭素化で実証実験

ZDNET Japan Staff

2024-07-30 15:33

 伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、メタル便の3社は、鉄鋼物流業界の脱炭素化に向けた実証実験を8月1日から開始する。

 鉄鋼物流業界では、各企業が自社貨物しか積載しない配送方法が広く利用されてきた。これは「専属便」と呼ばれ、少量の貨物でも1台のトラックが配送しているため、輸送効率と二酸化炭素(CO2)排出量の両面で課題を抱えている。近年、その解決策として、異なる荷主の貨物を同じトラックで配送する「共同配送」や、より環境負荷の小さい鉄道や船舶を利用する「モーダルシフト」に関心が高まっているという。

 メタル便は2000年から共同配送サービスを提供している。共同配送は、専属便よりも効率的でCO2排出量も少ないとみられているが、これまで定量的な評価はされていなかった。そこで3社は、メタル便の共同配送サービスにおけるCO2排出量の可視化などに取り組む。実証では、伊藤忠丸紅鉄鋼の脱炭素ソリューション「MIeCO2(ミエコ)」を活用する。

 具体的には、共同配送と専属便によるCO2排出量の算定方法を策定し、実際の事例で算定する。その上で、共同配送が鉄鋼物流業界のCO2排出量削減に与える効果を検証する。また、CO2排出量をステークホルダー(利害関係者)に開示する仕組みや、共同配送によるCO2排出量削減分のカーボンクレジット化も検討する。

 3社は、実証結果を2024年12月末までに取りまとめる予定。これによって、共同配送によるCO2削減を定量的に示す仕組みを確立し、メタル便の実業務への展開を目指すとしている。

専属便と共同配送のイメージ
専属便と共同配送のイメージ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]