Amazon Web Services(AWS)は米国時間8月21日、マレーシアにリージョンを開設したと発表した。これに伴い、3つのアベイラビリティーゾーン(AZ)を提供するという。アジアパシフィックリージョンにおいては13番目のリージョンとなる。
AWSは、マレーシアリージョンについて、マレーシアおよび東南アジア全域のクラウドサービスに対する高い需要に対応する取り組みだとする。マレーシアリージョンで現在利用できるサービスは、「AWS サービス(リージョン別)」ページで確認できる。
マレーシアリージョンは、マレーシアの経済政策である10カ年計画「マダニ(MADANI)エコノミー」を支援する上で重要な役割を果たすという。新たなリージョンの建設と運用により、マレーシアの国内総生産(GDP)に約121億ドルを上乗せできると見込んでおり、2038年まで年間平均3500人以上の外部企業でのフルタイム相当の雇用をサポートするとしている。
AWSは、2016年にマレーシアオフィスを開設したことを機に、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)「Amazon CloudFront」の立ち上げや、クラウドサービスソリューション「AWS Direct Connect」の開設などを進め、マレーシアのDXを推進している。
マレーシア企業におけるクラウド導入は増加しており、さまざまな場面でAWSを活用しているという。マレーシアの郵便・小包サービスを行うPos Malaysia Berhad(Pos Malaysia)は、重要なアプリケーションをAWSに移行し、ビジネスの俊敏性と顧客体験の向上を実現した。また、「Amazon EC2」と「Amazon Elastic Block Store」(Amazon EBS)を活用し、1100万以上の住所と3500以上の小売りタッチポイントのネットワークへの配送を処理するための計算能力を拡張し、スムーズなサービス提供を確保したという。
クラウド人材の育成においても、マレーシアでは既に48の大学でクラウド学習カリキュラム「AWS Academy」を用いたコースを実施しており、2018年以来、2万3000人の学生が同プログラムを通じてトレーニングを受講しているという。