本記事の要点
- 「Nobara 40」は公式ウェブサイトから無料で入手できる。
- 初期状態であらゆるタイプのユーザーに素晴らしい体験を提供し、インストール後に必要な作業は非常に少ない。
- 残念ながら、パッケージマネージャーGUIでの「Flatpak」アプリのインストールはうまくいかないようだ。
「Nobara Linux」は、新しいバージョン(バージョン40)がリリースされたばかりのOSだ。ゲーマーを含むあらゆるタイプのユーザーをターゲットとする数少ないディストリビューションの1つという点において、Linuxの世界で独自の地位を築いている。Nobaraは「Fedora Linux」に変更を加えて、使いやすさを強化したバージョンだ。
必要なプロプライエタリーパッケージがすべて含まれているため、「ポイントアンドクリック」で操作するユーザーも、マルチメディアコーデックやストリーミングに必要なソフトウェアのインストール、ゲームをより快適にプレイするためのOSの設定変更などについて心配する必要はない。それらすべてを組み込んだ美しいデスクトップOSであるNobaraは、「Windows 11」ユーザーにとって歓迎すべきOSになるだろう。
Steamのおかげで、Nobara Linuxでゲームを楽しむことができる。
提供:Jack Wallen/ZDNET
NobaraがFedoraの公式スピンではないという点には留意しておきたい。Fedoraのパッケージ、コード、リポジトリーを使用するが、Fedoraから完全に独立したプロジェクトだ。
では、Fedoraから何が変わったのだろうか。いくつか例を紹介しよう。
- カーネルにさまざまなパッチを適用(「zen」「OpenRGB」のほか、「Polaris」以前のカード向けの「AMDGPU」や、「Steam Deck」のサポートなど)
- NVIDIAのカード向けにQSG_RENDER_LOOP="basic"を設定(「Wayland」のフリーズを修正するため)
- AMD/Intelのデスクトップ/GLドライバー向けの最新の「mesa」リリースバージョン
- 「glibc」にパッチを適用して「clone3」を無効化
- dnfの最大並列ダウンロード数が6に増加
- 「GameScope」「GOverlay」「MangoHud」「vkBasalt」を定期的に更新
- NVIDIA GPUの検出とドライバーの自動インストール
- 「SDL2」にパッチを適用してNVIDIAのフレームレートの問題を修正
- OSインストール後のコーデックのインストール
かなり多くの変更があり、幅広い改善点に対応している。変更点の一覧は、Nobara Projectのウェブサイトで閲覧することができる。
確かにNobaraはゲーマーのニーズに応えているようだが、快適に使用できるユーザーがゲーマーだけというわけではない。生産性を求められる作業には、「LibreOffice」や「InkScape」を利用できる。ウェブブラウジングには、「Firefox」がある。ゲームには、「Steam」「Wine」「ProtonPlus」「Lutris」「Host Remote Play」、GOverlayがある。