トレンドマイクロは9月9日、日本の法規制やルールに基づいて運用されるソブリンクラウドおよびプライベートクラウド向けのセキュリティソリューション「Trend Vision One Sovereign and Private Cloud」を10月2日から提供すると発表した。
ソブリンクラウド(主権確保型クラウド)は、経済安全保障の観点から自国の情報セキュリティや法令順守などの法規制、ルールに基づき、ユーザーが主権限を確保してデータやシステムの運用や管理を行うクラウド環境を指す。海外などにログを含むデータを送信しないことが必要で、同社はSaaS型のセキュリティソリューションの採用が困難になるなどの課題があると解説する。
Trend Vision One Sovereign and Private Cloudは、ソブリンクラウドやプライベートクラウドを使用している政府機関や国防、宇宙、医療、金融、エネルギー、通信、公共事業などの重要な特定法人組織向けに提供するオンプレミス型のセキュリティソリューションになる。
当初のソリューション構成は、パターンマッチングやAI/機械学習型検索、ふるまい検知(挙動監視)などエンドポイント防御の「Trend Vision One Endpoint Security」、エンドポイント型脅威検知/対応(EDR)、未知の脅威をネットワーク上で検知、遮断する「Deep Discovery Inspector」となる。今後は、拡張型脅威検知/対応(XDR)や、NVIDIAの推論用マイクロサービス「NVIDIA NIM」を組み合わせた生成AIのセキュリティ運用業務支援、アタックサーフェス(攻撃対象領域)リスク管理の各機能を順次追加していく。
同社は、「地理的境界内のデータ保護によるデータ主権への対応とセキュリティ対策の両方の実現を支援する」と説明している。