常陽銀行と日立製作所(日立)は9月10日、日立工業専修学校(日専校)で産学金連携による金融・DXリテラシー向上の取り組みを開始した。
この取り組みでは、日立が小型の売り場にサイネージやセンサー機能、生体認証などを組み合わせた「CO-URIBA」を同校に設置し、常陽銀行がサイネージに投影する金融教育コンテンツを提供する。これにより、生徒は顔認証による手ぶらの決済を体験するとともに、サイネージに表示される教育コンテンツを通して金融を学ぶことができるとしている。
具体的には、(1)顔認証による手ぶらの決済、インタラクティブな金融教育による生徒の金融リテラシー向上、(2)生徒主体の運営によるDXの体験・学習――の取り組みを日専校で実施する。
(1)では、生徒がCO-URIBAの顔認証による決済を利用。利用代金の引き落としは「常陽銀行Visaデビットカード」を通して行われるという。また、同行が座学やCO-URIBAのサイネージを活用した金融教育を実施することで、若年層世代の金融リテラシーの向上に貢献する。加えて、CO-URIBAに搭載したアンケート機能を活用し、金融知識の理解度や金融教育への要望などを確認することで、同行と生徒間のインタラクティブかつ効果的な金融教育ができるという。
(2)では、日立が生徒にCO-URIBAの棚割りの検討などを教え、生徒が主体的にCO-URIBAを運営するという。また、顔認証による手ぶらの決済、センサー技術による商品の自動認識・サイネージの商品情報表示など、CO-URIBAを利用するための一連のフローを通して、DXを体験・学習し、生徒の情報リテラシー強化や問題解決力、クリエイティビティーの向上を図る。
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日専校はこれまで、金融教育の機会や、DX体験による情報リテラシーの強化およびイノベーションの機会を生徒に与えるため、ほかの企業と連携した取り組みを検討していたという。今回の取り組みを通して、生徒が金融知識を深めるほか、常陽銀行や日立と交流することで、社会におけるコミュニケーションやビジネススキルを身に付ける機会になるとしている。これにより、地域コミュニティーの一体感を高め、地域への人材定着や地域経済の持続的な発展につなげられるとしている。
取り組みを通して多様な価値創出を図る
同校は、CO-URIBAを活用した金融・DXリテラシー教育の導入の最初のユーザーで、常陽銀行と日立は2024年度下期以降に茨城県の教育機関に展開し、産学金連携を推進していく予定だ。