AIコミュニケーションツールの最新事情

生成AIはボットサービスにどのような影響をもたらすか - (page 2)

澁谷毅 (トゥモロー・ネット)

2024-09-30 06:00

生成AIとの連携で何ができるようになるのか

 生成AIの実用化が進んだのは、OpneAIが2022年11月に公開したAIチャットボット「ChatGPT」からと言っても差し支えはないでしょう。また、2023年3月に公開されたLLMの「GPT-4」は、強化学習を行ったとされ、画像解析、分析・要約の性能が飛躍的に改善されています。

 これは世の中に大きなインパクトがあり、国内でもさまざまなベンダーがChatGPTと連携したサービスを開発しました。まだ試行錯誤の段階ですが、現時点で多いのは、例えば、以下のような使い方のサービスです。

1.対応履歴の入力作業をサポートする

 コールセンターでは、オペレーターが電話を切った後に、対応履歴の入力作業を行います。通常、この作業には数分を要し、その間は電話を受けられません。そこで、電話での会話を音声認識し、テキスト化した内容を生成AIが要約するサービスです。最終的にはオペレーターが見て確認や修正をしますが、入力作業の時間が短縮できるので、受けられる電話の数を増やすことができます。

2.回答文を作る

 メールやウェブサイトの問い合せに対して、質問を基にカタログデータやFAQなどから適切な内容を抽出して、生成AIが回答文を作るサービスです。担当者がさまざまな文書などを探し回る必要がなく、回答までの時間を短縮できます。また、ユーザーに回答するのは担当者なので、もし生成AIが作った回答に間違いがあっても気付いて修正し、回答することが可能です。

3.FAQのコンテンツを作る

 FAQは一度作ったらそのままにするのではなく、定期的にQ&Aを増やしたりして、回答の精度を高める必要があります。そこで、メールなどの問い合せ内容と回答内容などを生成AIに読み込ませると、生成AIが新たなQ&Aを作成するというサービスも提供されています。その内容を人がチェックして、FAQに追加するという流れで回答できる範囲を増やしていきます。

4.多言語対応

 チャットボットの質問や回答を生成AIで多言語翻訳させることが可能になり、多言語対応ボット開発の手間を減らすことができます。

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