リコーは、デジタルサービス企業への変革を加速させるため、インフォマティカのAI搭載クラウドデータ管理プラットフォーム「Intelligent Data Management Cloud」(IDMC)を導入した。インフォマティカ・ジャパンが発表した。
IDMCの導入により、リコーではノーコードの操作環境が実現し、IT部門以外の社員もデータ処理が可能になり、業務のスピードと効率が向上したという。また、データの一元管理により、顧客に関する信頼性の高いデータにアクセスし、顧客のニーズに迅速に対応できるようになった。これによりカスタマイズされたサービスの提供が可能になるとしている。
IDMCは、データ管理のためのクラウド基盤として、マルチクラウド、オンプレミス、サーバレスなど、データの場所に関係なく必要なデータを必要な人が利用できるようにする。データカタログからのデータ統合、アプリケーションやAPIのインテグレーション、データプリパレーション、マスターデータマネジメントなど、200以上のサービスを提供し、データ活用を包括的に支援する。
リコーでは、「プロセス・IT・データ 三位一体の推進」を掲げ、組織改革を実施している。その中核を担うのが、2017年から進められているデータ基盤構築プロジェクト「GLIDER」だ。GLIDERは、リコーの世界中のグループ会社から生データを収集し、本社で一元的に処理・分析する仕組みの基盤となる。これにより従来かかっていた工数や時間を大幅に削減し、投下資本利益率を指標としたROIC(Return On Invested Capital)経営を促進できる。
同社は、GLIDERプロジェクトのデータ連携基盤としてIDMCを採用。選定理由は、従来使用していた「Informatica PowerCenter」の資産をクラウド上で再利用できることや、機能と性能に優れ、ノーコードでの簡単操作や迅速なシステム連携も可能なことが挙げられている。また全世界でのサポートや「Microsoft SharePoint Online」などの外部サービスとの連携が可能で、北米拠点での評価結果も良好だったことも選定のポイントとなった。
「GLIDER」のデータ連携基盤