デル・テクノロジーズは、日本赤十字社 武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)におけるVMware仮想化基盤の刷新を支援したと発表した。
デルによると、武蔵野赤十字病院は、かつて生理検査システムや医療用画像システム(PACS)などの部門システムを個別の物理サーバーで構築しており、運用管理や保守などの負担とリソースの余剰が課題だったことから、2018年に約50の部門システムと100台以上のサーバーを「VMware vSphere」およびデルのサーバーとストレージによる仮想化基盤に統合した。
今回の刷新は、この仮想化基盤がリプレース時期を迎えたことによるもので、さらに7年間の使用に耐える性能や容量の大幅強化、障害時の迅速な対応の実現を目指したとのこと。従来の基盤が大きな問題がなく安定稼働を続けていたため、今回の刷新では必要な部分のみを強化したという。特にPACSでは、大容量データを効率的に保存、活用できるストレージが必要となるため、まずストレージの性能と容量のアップを要件とし、仮想化基盤を構成するサーバーについても、ストレージと同じく高性能で最適なコストを実現する製品を求めた。
そこで新基盤は、ストレージに「Dell Unity XT」、サーバーに「Dell PowerEdge」を採用する3ティア構成とした。武蔵野赤十字病院では、旧基盤の運用経験から高額でハイスペックな機器よりも3ティア構成の方が現状に合致したという。ストレージでは、アクセス頻度の高いデータを高速なSSDに配置し、それ以外のデータをSAS/二アラインSASのディスクに自動再配置する「FAST VP」機能や、SSDを2次キャッシュとして利用する「FAST Cache」機能などを活用。データ圧縮に優れた重複排除機能も採用でのポイントになったという。新基盤ではストレージ容量が以前の約600テラバイトから約1.3ペタバイトと2倍以上に増え、緊急案件対応での初動時間が約1時間から数分に短縮された。
武蔵野赤十字病院では、このほかにデルのITインフラ可視化技術としてサーバー内蔵の「iDRAC」、システム管理コンソール「OpenManage Enterprise」、リモート監視サービス「Secure Connect Gateway」、クラウド型ストレージ統合管理ツール「APEX AIOps」なども導入している。