ドイツに拠点を置き、機械翻訳サービス「DeepL翻訳」を提供するDeepLは9月18日、「用語集」機能のアップデートを発表した。
今回初めて装備されたAI搭載の「用語集ジェネレーター」は、翻訳済みのファイルを活用することでパーソナライズされたDeepL用語集を作成し、翻訳用の用語集作成プロセスの簡素化と迅速化を可能にする。Translation Memory Exchange(TMX)、DOCX、PDFファイルに対応。「DeepL Pro Advanced」「DeepL Pro Ultimate」プランで利用できる。現在対応しているのは英語に対してドイツ語、スペイン語、日本語、イタリア語、フランス語、ロシア語の言語ペア。今後さらに多くの言語に対応する予定だという。
対応言語が増加した。韓国語、デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、ルーマニア語が新たに追加され、合計16言語になった。これにより幅広い言語的文脈において、より正確でニュアンスをくみ取った翻訳を可能にし、幅広い企業ユーザーのビジネスニーズに対応する。
DeepLプラットフォーム間でのアクセシビリティーが向上された。「Chrome」および「Edge」用のDeepLブラウザー拡張機能から用語集に直接アクセスできるようになった。「Google Workspace」アプリケーションを含むウェブアプリケーション全体で一貫した翻訳が可能になる。さらに、「Microsoft 365」の「Word」「Outlook」「PowerPoint」でも、用語集を利用できるようになった。用語集は、DeepLのウェブブラウザー、デスクトップアプリ、およびAPIからもアクセスできる。
DeepLの用語集は、高度な文脈理解と、大文字または小文字、性別、時制などの複雑な文法要素を処理した上で、ニュアンスがある自然な翻訳結果を提供する能力に優れているとDeepLはアピールする。言語専門家を対象としたブラインドテストによると、DeepLは、「Google翻訳」と比較して30%、「Chat GPT-4」と比較して20%の文章校正作業時間の短縮を実現するという。さらに、Google翻訳とChat GPT-4では2~3倍のフィードバックが必要だったが、DeepLでは校正回数を大幅に削減することが可能だと同社は述べる。
また、「DeepL Pro」であれば、用語集にも高度なデータセキュリティが適用される。独自のデータセンター、最高レベルの認証およびコンプライアンス基準(ISO 27001およびSOC 2 Type2認証)、データの暗号化、入力データをモデルの学習に使用しないことなどが含まれる。