「Gmail」の「スマートリプライ」機能が、Googleの人工知能(AI)モデルを活用することで大幅に性能が向上する。
スマートリプライでは長年、機械学習を用いて電子メールの内容に基づき、3種類の返信候補を提案してきた。今回、Googleはこの機能を「Contextual Smart Replies」(コンテキストによるスマートリプライ)へと刷新する。スマートリプライが「Gemini」を活用して、やりとりの文脈全体を考慮した返信文の作成が可能になる。
Googleによると、電子メールへの返信を書き始めると、3種類の返信候補が下書きの下部に表示されるという。候補の1つに指を置くと返信文をプレビューできる。いちばん気に入ったものを選択すれば良い。変更が必要だと思えば、返信作成画面の中でその候補を編集できる。あるいは、そのまま送信しても良い。ユーザーの選択に委ねられている。
このContextual Smart Repliesは、以下の5つのサービスのいずれかにサブスクリプション登録している「Google Workspace」のユーザーを対象として、段階的に提供される。「Google One AI Premium」(月額20ドル:日本では2900円)、「Gemini Business」(同20ドル:2,260円)、「Gemini Enterprise」(同30ドル:3400円 )、「Gemini Education」(同18ドル)、「Education Premium」(同27ドル)。
新しもの好きな人は「Google Workspace Labs」に参加して試用できる。有料登録していない人は、引き続き通常のスマートリプライを使うことになる。生成AIによる新しいツールであることから、Googleはこの機能について、「不正確な情報、不適切な情報が提案される場合がある」と警告している。また、エラーが発生した際は、改善のためにフィードバックを提供するよう求めている。
AIによる返信文の隣には、提案した文章がよかったのかどうかを伝えるサムズアップとサムズダウンのアイコンが表示される。サムズダウンを選ぶとポップアップウィンドウが開き、そこに詳細なフィードバックを書き込む。フィードバックに「個人データ、センシティブなデータ、機密データ」を含めないよう、Googleは勧告している。
ここで確認しておきたい制限が2つある。まず、Contextual Smart Repliesは英語にしか対応していない。また、この機能はモバイル版のGmailに限定されているようだ。Googleによるこの機能のサポートページには、「Android」「iOS」「iPadOS」について記載があるが、デスクトップ版への言及がまったくない。
提供:Sjoerd van der Wal/Getty Images
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。