筆者は「Ubuntu」が登場した頃のことをよく覚えている。2004年に「Red Hat Linux」からこの新しいディストリビューションに乗り換え(「Fedora」がまだ登場しておらずRed Hat Linuxを1997年から使用していた)、それ以来、ずっと使い続けている。Ubuntuに移行してから、メインのOSとして使用しているのは、UbuntuかUbuntuベースのディストリビューションだけだ。
それには十分な理由がある。
UbuntuはOSとして、この上なく安定しており、ユーザーフレンドリーだ。また、時計のように正確なスケジュールでリリースされるので、新しいバージョンのリリースを安心して待つことができる。
2024年も10月になった。それは、新しいバージョンがリリースされることを意味する。今回は、Ubuntuの最初のリリース(「Ubuntu 4.10 Warty Warthog」)から20周年に当たるため、特別なリリースである。ここまでの道のりは山あり谷ありだったが(「Ubuntu Unity」を思い出してほしい)、荒削りだった部分はすでに改善されている。Ubuntuのリリースは大部分において信頼性が高く、楽しめるものとなっている。
「Ubuntu 24.10」(「Oracular Oriole」)のテストバージョンをインストールしてすぐに、筆者はUbuntuのおなじみの要素と長所のすべてを確認して、うなずき、微笑んだ。
それでは、Canonicalの最新リリースであるUbuntu 24.10の新しい要素は何だろうか。
「GNOME 47」
Linuxディストリビューションの成否を分けるのはデスクトップ環境だ。優れたUIを持たないディストリビューションはこの世界で生き残れない。熾烈な競争が繰り広げられており、ユーザーを優柔不断にするほど多くの選択肢が存在するからだ。
Ubuntu 24.10には、GNOME 47が搭載されており、多くの改良が加えられている。ゲームチェンジャーと言えるような機能は見当たらないが、開発元が追加したさまざまな機能は、すでに素晴らしいデスクトップの魅力をさらに高めるものばかりだ。新しい追加機能には、以下のものが含まれる。
- ネイティブアクセントカラーのサポート
- フローティングボタンを採用した新しい外観のダイアログと、狭いディスプレイでの見た目を改善するさまざまな変更
- 低解像度モニター向けのインターフェースの改善
- ハードウェアエンコードによる画面録画
- 永続的なリモートログインセッション
- 「Nautilus」サイドバーの改善(ゴミ箱やネットワークなどに簡単にアクセスできるようにショートカットが再配置された。ブックマークの管理が容易になった。内蔵ドライブがサイドバーに表示されるようになった。ブックマークをドラッグ&ドロップで並べ替えられるようになった)
- 「ディスク使用量アナライザー」のUIの改善
- 「マウスホバー時にウィンドウをアクティブにする」といった設定オプションが追加され、オンラインアカウントも改善された
- Dockランチャーの「snap」アプリのプログレスバーは、アプリがバックグラウンドでアップデートされているときに表示される
テーマや壁紙、(新しい)アクセントカラーを選択できる
提供:Jack Wallen/ZDNET
Ubuntu 24.10の変更点はGNOMEだけではない。「アプリセンター」の改善、最初のバージョンであるUbuntu 4.10のカラースキームへのオマージュ(4.10のログイン時に鳴る起動音も追加されている)、新しい壁紙、新しい「セキュリティセンター」アプリ(機能はそれほど多くないが、最初のリリースであることを考慮する必要がある)、NVIDIAのGPUが自動的に「Wayland」をデフォルトにするようになったこと、指紋生体認証サポートの改善など、ほかにも多くの変更点がある。
それでは、実際の使用感はどうなのだろうか。