山形銀行は、三井住友銀行と日本IBMの支援のもと、米パーセフォニの温室効果ガス(GHG)排出量算定プラットフォームを導入した。日本IBMが10月9日に発表した。
同プラットフォーム導入により、山形銀行はファイナンスド・エミッションの算定の高度化を図り、脱炭素化に向けた取り組みを促進する。これにより同行は、投融資先の関連活動データを入力するだけで、金融向け炭素会計パートナーシップ(Partnership for Carbon Accounting Financials:PCAF)に準拠した透明性の高い排出量算定ができるという。
金融庁が東京証券取引所プライム上場企業に対し、サプライチェーン全体でのGHG排出量開示を義務付ける検討を進めるなど、企業の脱炭素化に向けた取り組みが求められている。その中で金融機関も、投融資先のGHG排出量管理・監視や排出量削減支援が求められている。
パーセフォニのプラットフォームは、国際的な排出算定基準であるGHGプロトコルやPCAFに準拠しており、複雑な算定作業の効率化と透明性の高い算定結果の開示・分析・管理を可能にする。SaaSとして提供され、「炭素分野のERP」として、スコープ1から3までの(自社や国内外のサプライチェーン全体での)炭素管理の一元化を実現する。
今後、三井住友銀行、日本IBM、パーセフォニの3社は、同プラットフォームの地域金融機関への導入をさらに推進していくという。なお、三井住友銀行と日本IBMは、金融機関が投融資先のGHG排出量を正確に把握できるようにプラットフォームの活用を支援する。また投融資先の中で、GHG排出量の多い企業を特定し、排出量算定の補助ができるよう支援するとともに、取引先への業種に応じた適切な削減施策提案もサポートしていく。