生成AIの普及により、最も直接的に変化する分野の一つがチャットボット市場だ。2024年8月には、化粧品メーカー傘下のブランドが、アリババクラウドの大規模言語モデル(LLM)を活用し、中国の消費者を対象としたチャットボットを開発した。ブランドの哲学への理解を促進するとともに、スキンケアに関する消費者の問い合わせに対応する。
一方で、AIチャットボットが暴言を発するなど、生成AIの採用にはリスクを伴うことが指摘されている実情もある。米IBMは2018年9月の時点で、「信頼できるAI」が備えるべき5つの基本特性として、「説明可能性」「公平性」「堅牢性」「透明性」「データ権利」「プライバシーの尊重」を挙げており、これらを欠くとリスクが生じやすくなるとしている。
調査会社ITRが2024年8月に公表した「国内のチャットボット市場規模推移および予測」によると、2023年度のチャットボット市場は生成AIとの連携が進み、16.5%増の111億8000万円に上った。さらに、2028年度には230億円にまで増加すると予測している。
今後チャットボットサービスは、対話型AIと生成AIの連携によって活用範囲が広がるとされる。特に、FAQ(よくある質問と回答)としてデータベース化されていない質問に対し、生成AIを活用することでデータの集計表など多様なドキュメントから回答が可能になっていることに着目している。
生成AIがチャットボット市場にどのような変化をもたらすかについて紹介する記事を集めた。