みずほ銀行、新設データセンターのネットワークにシスコ製品を導入

藤本和彦 (編集部)

2024-10-22 13:34

 みずほ銀行は、新設したデータセンターのネットワーク構築に当たり、シスコシステムズのデータセンタースイッチ「Cisco Nexus」を採用した。さらに、ネットワーク監視の高度化を図るために「Cisco ThousandEye」も導入し、ネットワークをエンドツーエンドで可視化することで、障害発生時の状況把握や一次切り分けを早期化する。シスコシステムズが10月22日に発表した。

 みずほ銀行は、「みずほダイレクト」や「みずほWallet」といったデジタルサービスの利便性の向上、AI活用によるコンタクトセンターの対応力の向上、最適な金融サービスを顧客に提案するためのデータ活用などに取り組んでいる。その中で、DXシステムから入出金や資金決済、口座や融資の残高管理、利息計算など、みずほ銀行の金融事業の基盤を支える勘定系システムまで、全てのITシステムの稼働を支えているのが「みずほデータセンターネットワーク」になる。

 新規データセンターは、メインセンターから地理的に離れたエリアに整備することで、広域被災時の事業継続性を向上させる計画だった。そのため、みずほ銀行は、ネットワークのレジリエンスを高度化し、ネットワーク構成のシンプル化と監視の強化を目指す大規模な見直しを行った。

 しかし、データセンターネットワークは段階的に拡張されてきたため、構築された時期によって採用された技術が異なり、ネットワーク構成が複雑化し、一部の専門家に依存する状況が生じていた。この複雑さと依存度の高さは、日々の運用管理やネットワークの追加・変更作業、さらには障害発生時の検知・原因究明や復旧作業を難しくし、レジリエンスを低下させる可能性があった。また、ネットワーク機器の稼働監視は行っていたものの、ケーブルの接触不良やトランザクションの集中による通信不具合の監視は不十分だった

 みずほ銀行は、機器の台数削減や採用技術の統一によりネットワーク構成を簡素化し、専門家への依存度を低減して運用管理や障害対応を容易にすることを目指した。その一環として、シスコの機器およびソリューションを採用することを決定した。

 新しいネットワークでは、Cisco Nexusと「Cisco ACI」を使用してネットワークを制御する。これにより、小規模ネットワークの構築が特定のパートナー企業に依存せずに可能となり、構築コストを削減できた。

 さらに、Cisco ThousandEyesを導入することで、ネットワーク全体のエンドツーエンドの可視性を確保し、トランザクションの集中による通信遅延などの問題を早期に特定できるようになった。

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