人工知能(AI)は、ソフトウェア品質に関する悩ましい問題の解決策(少なくとも部分的な解決策)なのだろうか。ソフトウェア品質は、80年前に最初のコンピューターが作られて以来の課題であり、テクノロジーネットワークとソリューションがあふれる世界において、この問題は深刻さを増すばかりだ。最近の調査で、生成AIが品質管理の重要なステップとして注目を集めていることが明らかになった。
CapgeminiとSogeti(Capgeminiグループ傘下の企業)が1755人のテクノロジー幹部を対象に実施した調査によると、品質エンジニアリングに生成AIを組み込むことが重視されるようになっているという。68%の組織が、生成AIを導入して品質に関する取り組みに活用している。生成AIをテスト自動化プロセスに完全統合している組織は29%以上で、生成AIの可能性を積極的に探っている組織は42%だった。
「大規模言語モデル(LLM)とAIツール、特に『Copilot』の進化によって、既存のソフトウェア開発ライフサイクルへのシームレスな統合が可能になり、品質エンジニアリングの自動化における効率と革新の新たな波が到来した」。OpenTextのJeff Spevacek氏が率いる執筆者チームはこう記している。
2023年のソフトウェア品質調査では、「組織がAIソリューションへの投資を増やして、品質変革の取り組みの推進を図っていることが分かった」とSpevacek氏と共同執筆者らは書いている。「しかし、品質エンジニアリングにおけるAIの価値については、懐疑的な見方が非常に多かった」
さらに、AIに対する考え方がこの12カ月間で大きく変化した、と執筆者らは続ける。「品質エンジニアリング活動をサポートするために、生成AIの実験を終えて実際の規模での導入に進んでいる組織が多い。今後、この分野でさらなる進歩がみられるものと確信している」
だが、AIをソフトウェア品質保証ツールとして採用することに課題がないわけではない。61%以上の回答者が、生成AIソリューションの活用に伴うデータ漏えいを懸念している。自動化の取り組みを進めるうえでの主な障壁としては、包括的なテスト自動化戦略の欠如(57%)と、レガシーシステムへの依存(64%)が挙がった。