「Arch Linux」は臆病なユーザーには向いていない。なぜなら、Arch Linuxのインストールは、公園の散歩のように簡単にはいかないからだ(上り坂や落とし穴、縄ばしごがたくさんあって、怪物が現れるような公園なら、話は別だが)。
数年前から、Arch Linuxを少し使いやすくするためのディストリビューションがいくつか登場し始めたのは、そのためである。それらのディストリビューションは、OSのインストールとその後のソフトウェアのインストールを大幅に簡素化することに重点を置いていた。
ほとんどの場合、それらのディストリビューションは自らの使命を立派に遂行してきた。そうしたスピンオフディストリビューションの1つである「Manjaro」は、Arch Linuxを一般のユーザーに広める役割を効果的に果たしてきた。そして、最新リリースの「Manjaro 24.1」で、Manjaroの開発チームはArch Linuxの素晴らしい派生ディストリビューションを作り上げた。
このディストリビューションは使いやすく堅実で、見た目も美しい。Manjaro 24.1を数日間テストしてみて、筆者は強い感銘を受けた。不満な点は1つしかなかった。
Manjaro 24.1の新機能
まず、Manjaro 24.1(「Xahea」)にはカーネル6.10が搭載されており、パフォーマンスや安定性、ハードウェア互換性がさらに向上している。新しいカーネルに加えて、ZFSファイルシステムの最新バージョン(v2.2.6)、「Systemd 256.6」「Mesa 24.2」「LibreOffice 24.8.1」「Firefox 131」も搭載されている。
デスクトップ環境は、「Plasma」エディション(「Plasma 6.1.5」と「KDE Gear 24.08」を搭載)、「GNOME」エディション(「GNOME 46」を搭載)、「Xfce」エディション(「Xfce 4.18」を搭載)から選択できる。
Manjaroは、ローリングリリースモデルを採用したディストリビューションなので、常に最新の状態に保たれる。最新のOSと付属ソフトウェアを常に利用したい人には、ローリングリリースが最適だ。
Manjaroのチームはカスケード(段階的な)安定性アプローチも採用しているため、ユーザーは使用するOSのバージョンを選択できる。具体的には、基本版、不安定版、テスト版、安定版の中から選択可能だ。ソフトウェアをテストするという概念が好きではない人は、常に安定版を使用するといいだろう。Manjaroには、ホームエディションとビジネスエディションもある。もちろん、読者はホームエディションを選択した方がいいだろう。
ここまでの説明を読んでも分かるように、新しいカーネルや更新されたソフトウェア、最新のツールチェーンだけでなく、デスクトップ環境もManjaro 24.1の「新しさ」に寄与している。
筆者は、ManjaroのPlasmaエディションをテストし、強い感銘を受けた。