NTTデータグループが11月6日に発表した2024年度上期(2024年4~9月)連結業績は、売上高が前年同期比7.8%増の2兆2400億円、営業利益が同22.3%増の1490億円、税引前利益が同14.9%増の1098億円、当期利益が同9.0%増の577億円、当期包括利益が同85.2%減の251億円となった。受注高は同15.4%増の2兆5004億円だった。
NTTデータグループ 代表取締役社長の佐々木裕氏
決算を発表した代表取締役社長の佐々木裕氏は、「いずれの項目においても、通期業績予想に対して順調に進ちょくしている。受注高が日本、海外ともに好調だ」と総括した。
営業利益は国内外ともに増益だった。国内では、前年に発生した不採算費用のはく落がプラスに働いたほか、公共・社会基盤/金融/法人の3分野合計で136億円増の1073億円と増益になった。海外では、前年度に計上した構造改革費用のはく落があり、前年同期比で133億円増の475億円となっている。
日本セグメントでは、公共・社会基盤分野における中央府省向け大型案件の獲得、金融分野での大手金融機関向け大型案件の獲得に加えて、法人分野での受注が好調だという。特に「公共・社会基盤」は、政府が推進する「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を契機に、マイナンバーカード関連事業や国・地方自治体のシステム共通化、各府省の事業や準公共各分野におけるDX化の推進が期待されているという。
佐々木氏は、「上半期には複数の中央府省向け大型案件により増収となった。下半期もお客さまの堅調な投資需要を確実に獲得することでさらなる成長を目指す」とコメント。IT業界全体で人材不足が指摘されている自治体システム標準化については、「案件に取り組んでいるが、品質確保を含めて計画通りに進んでいる」と述べる。
「金融」では、上期に大手金融機関向け案件拡大により増収をけん引したという。大手金融機関での顧客接点や顧客体験の強化、金融サービス実現のためのITサービスへの投資が増加していることに加え、地域金融機関では地方銀行の再編による新たなIT投資や勘定系システムのオープン化に向けた動きが拡大することに期待しているとした。
「法人」では、製造や小売をはじめとする全てのインダストリーで、DXや生成AI、サステナビリティー(持続可能性)関連の事業機会が堅調に拡大している一方で、企業の経営課題が多様化しており、コンサルティング力やエンジニアリング力をベースにしたワンストップで課題解決を能動的にサポートすることが求められているとした。「上期はお客さまの戦略パートナーとして貢献することに注力した。幅広い業界向けにビジネスを展開している」(佐々木氏)