マクニカは、東海旅客鉄道(JR東海)と共同で、新幹線運転士の集中度と覚醒度を脳波解析で計測する実証実験を行った。マクニカが11月19日に発表した。
実証実験は2023年12月1日から2024年3月31日まで実施され、東京駅と新大阪駅の間を走行する新幹線で、早朝、午前中、午後、夜間の各時間帯に2人の運転士の脳波を測定した。運転時だけでなく、運転士へのアンケートや地上での脳波測定も行い、集中度と覚醒度を可視化・分析した。また、集中度と覚醒度を改善するための対策を実施し、その効果も検証した。
脳波測定のイメージ図
測定の結果、運転士は全体的に高い集中度と覚醒度を維持していることが分かった。時間帯や個人によって状態変化に一定の傾向が見られ、対策内容によって効果に違いがあることも判明した。
マクニカによると、近年の脳科学研究やAI技術、小型脳波計の進歩により、運転中の脳波測定と分析が可能になったという。JR東海は安全対策として、インフラ設備投資やシステム導入、訓練などを実施しており、運転中の集中度と覚醒度のメカニズムを科学的に解明し、さらなる安全性向上を目指している。
今後、マクニカは新幹線だけでなく、他の運転業務への応用も視野に入れ、脳波測定技術の開発を進める予定である。