日本企業のデータ侵害、サードパーティーに由来する割合が高い--SecurityScorecardが分析

ZDNET Japan Staff

2024-11-21 15:57

 企業向けサイバーセキュリティ分析を手掛けるSecurityScorecardは、日本企業では子会社や調達先といったサードパーティーに由来するデータ侵害の割合が高いとする分析結果を発表した。

 同社は、2023年に世界各地で発生したデータ侵害事案について分析し、サードパーティーに由来する事案の割合は、世界平均が29%だったのに対して、日本では41%に上ることが分かったという。

 主な原因では、使用している外部のテクノロジー製品やサービスが58%を占めた。また、33%は日本企業の海外の子会社や買収先などが原因だったとする。業界別では、テクノロジー・メディア・通信が26%を占め、以下は製造・自動車・建設の24%、小売・ホスピタリティーが17%だった。

 また、サードパーティーに由来するデータ侵害の73%はランサムウェア犯罪グループ、27%は北朝鮮や中国の支援を受ける犯罪グループに関連するものだったとしている。

 これを踏まえ同社は、以下の日本企業のサイバーセキュリティ対策に関する推奨事項を示している。

  • サードパーティーのテクノロジーベンダーや海外の子会社、買収先に対するリスク管理を重視し、サードパーティーからの侵害リスクを軽減する
  • 全ての事業体で一貫したセキュリティ基準を施行し、ネットワークのセグメンテーションによって横断的な移動を制限し、ネットワークアクセスを必要最低限に制限する
  • 業界特性に合わせたリスク管理戦略を立案する。製造業や自動車業界ではサプライチェーンのサイバー障害に備え、テクノロジー業界では内部資産および顧客に対する防御を重視し、流通・ホスピタリティー業界ではECおよび決済処理ベンダーに向けて厳格な審査を行い、顧客の機密データを保護する
  • 国家支援の攻撃者は、高度なセキュリティ体制を敷く対象への侵入手段としてサードパーティーの脆弱(ぜいじゃく)性を悪用することが多いため、防衛や金融などのセンシティブな業界では、サードパーティーベンダーにも同等のセキュリティ基準を適用し、リスクの低減を図る
日本企業のデータ侵害の原因となったサードパーティーとの関係(出典:SecurityScorecard)
日本企業のデータ侵害の原因となったサードパーティーとの関係(出典:SecurityScorecard)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]