「Windows 11 24H2」に新たな不具合が見つかった。「eSCL」(eScanner Communication Language)プロトコル対応機器の認識に問題が出ているほか、Ubisoftの一部ゲームタイトルが影響を受けている。
ゲームタイトルの影響の方は、Microsoftが米国時間11月22日に公開した報告によると、該当するゲームをWindows 11 24H2に更新した環境で実行しようとすると、フリーズやクラッシュが起きる可能性があり、さらには「ブラックスクリーン」(真っ黒な画面が表示される現象)が発生するおそれもあるという。
ゲームの起動時や読み込み時、あるいは実行時に反応しなくなることから、Microsoftは、該当するゲームタイトルのいずれかがインストールされているPCについて、Windows 11 24H2の提供を一時停止した。Microsoftはまた、影響を受けたユーザーに対し、この問題が修正されるまで、「Windows 11インストールアシスタント」やメディア作成ツールを使ったWindows 11 24H2への手動更新を行わないよう注意喚起している。
Windows 11 24H2に影響を与えている新たなバグはこれだけではない。Microsoftが同22日報告した別の不具合には、USB接続のスキャナー、プリンター、FAX機、モデム、ネットワークデバイスが影響を受けている。
このバグが問題となるのはeSCLプロトコルに対応している機器だ。eSCLはドライバなしでスキャナーを検出するためのプロトコルで、ネットワーク(イーサネットあるいはWi-Fi)やUSB接続を介したスキャナー検出ができるように設計されている。今回の不具合では、このプロトコルで接続されているはずの周辺機器がPCから検出されず、使えなくなる可能性がある。これに関しては、周辺機器がeSCLモードからUSBモードに切り替わらない点に問題があるとのことだ。
Microsoftは、eSCLプロトコルに対応したUSBデバイスが接続されているPCに対して、Windows 11 24H2の提供をブロックする措置を行っている。このバグについても、該当するデバイスを利用しているすべてのユーザーは、この更新の手動インストールを避けるよう勧告している。
10月1日の正式公開以降、Windows 11 24H2は多数のバグに見舞われている。ユーザーが悩まされているのはもちろん、Microsoftもいら立ちを募らせているのは間違いない。これを受けて、同社は影響を受けている広範囲のPCについて、アップデート提供の一時停止を余儀なくされている。
Windows 11 24H2に起きた問題に対処するため、Microsoftは正式公開後、これまでに10月下旬と11月中旬の2回、バグを修正するパッチをリリースした。10月のアップデートでは、一部のバグが修正されたものの、新たなバグも生み出された。11月の更新では、特に影響が大きかったバグの大半が解消されたが、すべてではなかった。そして今も、さらに複数のバグが浮上していることがうかがわれる状況で、Windows 11 24H2はMicrosoftにとって未解決の課題となっている。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。