サポート対象外PCの「Windows 11」利用に警告--回避策はあるか

Lance Whitney (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2024-12-05 07:00

 「Windows 10」のサポートは2025年10月に終了することから、Microsoftはユーザーに「Windows 11」へのアップグレードを強く推奨している。しかし、ユーザーがサポートされていないハードウェアで最新のOSを実行することは望んでおらず、思いとどまらせるために強硬手段を取っている。

 ウェブメディア「Neowin」が伝えた通り、Windows 11の最新のサポート文書では、Microsoftは最小システム要件を満たさずにWindows 11にアップグレードした全てのPCデスクトップに透かしを追加すると警告している。設定アプリにポップアップを表示し、コンピューターが必要な要件を満たしていないことを示す場合もある。

 同社はまた、サポートされていないWindows 11を実行しているPCでは更新プログラムを受け取れない可能性があり、いかなる損傷も保証の対象外になるかもしれないと警告している。

 Windows 11対象外のPCに表示され得る文言は次の通りである。

このPCは、Windows 11を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性が高く、より高品質のエクスペリエンスを保証するのに役立ちます。このPCにWindows 11をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。Windows 11のインストールを続行すると、PCはサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る資格がなくなります。互換性の欠如によるPCの損傷は、製造元の保証の対象外です。「同意する」を選択すると、このステートメントを読んで理解していることを確認できます。

 Microsoftのサポートページでは、気が変わった場合にサポートされていないWindows 11 PCをWindows 10に戻す方法についても、詳細な手順が記載されている。この「戻る」オプションは、アップグレード後10日間のみ有効なので、、決定を下すのにあまり時間はない。

 2021年のリリース以来、Windows 11はユーザーからの抵抗に直面してきた。それは幾つかの理由によると思われる。

 まず、Windows 10に満足している人はアップグレードする意欲が低い。次に、Windows 11ではスタートメニューやタスクバーなど特定の主要機能が変更されるが、この変更は良いものではない。3つ目には、Windows 11ではセキュアブートやTPM 2.0などの厳格なハードウェア要件が課せられることがある。3つ目の要因により、多くの古いPCが対象外となり、ユーザーは新しいOSを実行するためだけにコンピューターを購入せざるを得なくなる。

 Windows 11の普及は当初は遅かったものの、最近は徐々に普及が進んでいる。しかし、「Statcounter」の最新データによると、Windows 10は引き続き市場の62%を占める主要なOSであり、Windows 11のシェアは35%前後だという。だが、Windows 10のサポート終了が近づくにつれ、新しいPCを購入するのではなく、既存のPCをアップグレードすることで対応したいと考える人が増えるだろう。

 サポートされていないハードウェアでWindows 11を実行することは、危険を伴う行為なのだろうか?

 現時点で筆者が言えることは、サポートされていない2台の物理PCと3台の仮想マシンでWindows 11を長期間実行してきたが、問題は発生していないということである。全てのアプリと設定にアクセスでき、好きなようにカスタマイズを行い、必要な更新プログラムとパッチをインストールできる。理想を言えば、サポートされているWindows 11 PCのハードウェアに強化されたセキュリティが組み込まれていてほしいが、それ以外の方法でOSを実行できないわけではない。

 MicrosoftがサポートされていないWindows 11 PCに透かしと警告の表示を実行するかどうかについて、われわれは注視する必要がある。そうなっても、誰かが間違いなく回避する方法を見つけるだろう。

 いずれは既存のPCが寿命を迎えるので、新しいPCを購入しなければならなくなる。例えば、筆者のメインのデスクトップは老朽化が進んでいるので、おそらく今後1年以内に新しいものを購入するだろう。しかし、Windows 11に移行することで現在のPCをより長く利用できるのであれば、Microsoftに落胆しないでほしい。

Lance Whitney/ZDNETによるスクリーンショット
Lance Whitney/ZDNETによるスクリーンショット

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  5. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]