旭化成、生成AIの活用状況を発表--競争力強化とリスク低減へ

NO BUDGET

2024-12-10 15:02

 旭化成は、生成AIを活用した新規用途探索の自動化や製造現場の技術伝承を開始した。これにより、過去のデータおよびノウハウなどの無形資産活用を促進し、競争力強化と事業上のリスク低減を進める。

個人利用および組織利用における活用テーマ例
個人利用および組織利用における活用テーマ例

 新規用途探索の自動化では、専門人材と各事業領域が連携し、用途を自動抽出するAIおよび生成AIを開発した。既に膨大な文献データから6000以上の用途候補を考案し、候補の選別にかかる時間を従来の約40%短縮させている。今後は材料化学や医療分野での活用を推進していくという。

 製造現場の技術伝承では、危険予知活動のノウハウを、過去の事例データを読み込んだ生成AIを活用して継承していく。これにより、経験の浅い従業員でもリスクや対応策を容易に把握可能になった。今後は、作業前の危険予知に加え、画像・音声など工場の各センサーから取得した非構造化データを解析し、作業中の危険回避にも役立てていく予定だ。

 同社では、個人利用する生成AIとして「Microsoft 365 Copilot」などの既存サービスを活用している。従業員向けデジタル教育「旭化成DXオープンバッジ」で生成AIコースを開講し、全社的な人材育成に取り組んでいるという。

 また、組織利用では、2023年12月より社内システム開発者向けに生成AIモデル利用基盤を公開し、各組織のデジタルプロ人材が、業務に合わせて生成AIの構築・管理・運用を行っている。このほか生成AIの専任組織である「生成AI・言語解析ユニット」や、工場などの生産現場をサポートする「スマートファクトリー推進センター」が技術支援を行い、必要に応じてシステム開発などを行っている。

 こうした取り組みにより、書類監査対応において、ニーズに合わせた生成AI開発によりプロセスを効率化し、年間1820時間の時間短縮に成功している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  5. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]