自動収穫ロボットなどによるスマート農業を展開するAGRISTと植物工場などを運営するNXアグリグロウは、AIによる農産物収量予測の実証実験を山梨県内で開始したと発表した。2週間程度先の収穫量を高精度で予測するという。

AIを使い、葉物野菜の収量を予測する実証実験
実証実験は、山梨県が手掛ける、AIによる農産物出荷予測と物流最適化プロジェクト「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択され実施するもの。温度、湿度、日射量、二酸化炭素(CO2)濃度などのセンシングデータとカメラによる農作物の画像解析データをクラウドに集約し、AIで解析することで、収穫量を予測する。
NXアグリグロウでは、週間収穫量が出荷計画量に満たない場合、やむを得ず、翌週の収穫分を前倒しして収穫しているとのこと。しかし、前倒し収穫の拡大や長期化は収量の大幅減に直結するため、出荷計画量と収穫量の乖離(かいり)が課題になっているという。今回の実証実験では、AIを用いて収量を予測し、最適な出荷計画を立てることで、物流課題やフードロスの解決に貢献することを目指す。
今後は、高精度な収量予測システムの開発を進め、山梨県内だけでなく全国の農家へ展開していく計画。将来的には、収量予測データと市場価格データを連携し、収益性の高い農業経営を支援するシステムを構築する。