この1週間、ニュースは中国の新興企業のDeepSeekと、同社が提供するオープンソースの言語モデルの話題で持ちきりだった。Anthropicの「Claude」やOpenAIの「o1」のようなモデルに匹敵する性能もさることながら、データプライバシーやセキュリティ、中国政府から課されたトレーニング内の検閲など、懸念すべき点もいくつか指摘されている。
そんな中、AI検索プラットフォームの「Perplexity」は、完全とは言えないものの、こうした懸念を回避する方策を発見した。
Perplexityは1月27日、「DeepSeek-R1」をホスティングしたと「X」(旧Twitter)に投稿した。Perplexityの無料プランでは、「Pro」契約レベルの検索クエリーを1日に3回まで使用可能で、これをR1で使うことができる。これを超える回数の利用には、月額20ドルのProプラン契約が必要になる。
DeepSeek R1 is now available on Perplexity to support deep web research. There's a new Pro Search reasoning mode selector, along with OpenAI o1, with transparent chain of thought into model's reasoning. We're increasing the number of daily uses for both free and paid as add more… pic.twitter.com/KIJWpPPJVN
— Perplexity (@perplexity_ai) January 27, 2025
さらにXへの別の投稿で、PerplexityはDeepSeekを「米国/EUのデータセンター」でホスティングしており「データは決して西側のサーバーから出ない」ことを確約した。これにより、仮にオープンソースを採用しているDeepSeekのモデルをPerplexityで利用しても、データは安全だと、ユーザーに対して強調している。
さらに、Perplexityの最高経営責任者(CEO)を務めるAravind Srinivas氏も、LinkedInへの投稿で、「みなさんのデータは一切、中国に渡らない」と繰り返した。
「V3」と「R1」の両モデルを用いたDeepSeekのAIアシスタントは、ウェブブラウザーとアプリ、どちら経由でも利用できるが、中国にある同社のサーバーとの通信が必要で、ここにセキュリティ上のリスクが生じる。R1をダウンロードし、自らのデバイス上でローカルで稼働させるユーザーは、この問題を回避できる。ただしその場合も、中国政府が定める一部の話題については検閲に直面することになる。この検閲がデフォルトで組み込まれているからだ。
Perplexityは、R1の提供にあたり、モデルに組み込まれている検閲の、少なくとも一部を取り除いたと主張している。Srinivas氏は、「台湾の総統は誰?」という質問に「頼清徳」と現在の総統の名前を回答する検索結果のスクリーンショットをXに投稿した。
しかし、筆者がPerplexityを使って天安門広場(Tiananmen Square)についてR1に尋ねると、R1は回答を拒否した。

提供:Screenshot by Radhika Rajkumar/ZDNET
米ZDNETがコメントを求めたところ、Perplexityの担当者は回答で、「われわれは(DeepSeekの)モデルに対する検閲の重み付けを除去しており、これはあるべき挙動ではない」と述べ、この問題を調査していくとした。

提供:MirageC/Getty Images
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。