物流の丸和運輸機関(埼玉県吉川市)は、バックアップ環境を刷新し、年間の運用コストを437万円削減した。バックアップ製品を提供するarcserve Japanが発表した。
丸和運輸機関では、業務継続体制の強化を目的として、2011年に埼玉・秩父にバックアップセンターを開設し、本社業務システムのバックアップの遠隔保管と復旧専用の仮想基盤による業務継続体制を構築している。開設時点では、ソフトウェアのバックアップ製品を採用したが、超高可用性サーバー(FTサーバー)のバックアップを取得できなかったほか、データの重複排除・圧縮の機能がなく本社同様の大容量ディスクを使わなければならなかった。ソフトウェアのライセンス料や運用コストの高さも課題だったという。
このため2018年のシステム更改時では、新たにarcserveのアプライアンス版バックアップ製品「Arcserve UDP Appliance」を採用した。重要データの保護体制を構築するとともに、データの重複排除と圧縮機能の活用でバックアップデータ容量の縮小、運用コストの大幅削減を図ったという。今回の刷新もシステム更改に伴うもので、引き続き同製品を利用している。
Arcserve UDP Applianceの採用でFTサーバーのバックアップが取得可能になり、同社では本社にある約70台分のサーバーのデータを1次バックアップとして取得。このバックアップデータをバックアップセンターへ遠隔保管する体制を整備。また、アプライアンスの重複排除・圧縮機能でバックアップデータの容量を約98%削減し、バックアップセンターのディスクサイズを大幅に縮小できた。ソフトウェアのライセンス料と保守費用も低下し、年間のバックアップ運用コストを437万円削減できたとしている。

バックアップ環境のイメージ(出典:arcserve Japan)
なお、この更改では、arcserve Japanの手順書やドキュメントを利用して同社自身がバックアップシステムの構築作業を行い、数千万円単位の構築コストを節約したとのこと。トレーニングやナレッジを活用し、実際の被害時に確実にリカバリーできる体制も整備しているという。
同社の情報システム本部 情報システム部 インフラ・セキュリティ課は、「一番の決め手は、FTサーバーのバックアップを取得できることだった。冗長化しているが、サーバー自体が被災する可能性があり、潜在的なリスクから解放される思いがした」「arcserveは外資系だが日本のメーカーのような親近感を覚えた。定期的なハンズオンセミナーに新人を参加させたり、担当営業者の声かけで勉強会を開いてもらったりするなどいろいろサポートしていただけた」とコメントしている。