東京大学のuteleconプロジェクトが、学内向けITサポート窓口に「Zoom Contact Center」(ZCC)を導入し、業務効率化と円滑なコミュニケーションを実現した。Zoom Communicationsの日本法人ZVC JAPANが2月26日に発表した。
ZCCは、Zoom Communicationsが提供するクラウド型のコンタクトセンターサービス。従来の電話だけでなく、ビデオ、チャット、SMSなど、多様なコミュニケーションチャネルを統合し、顧客とのやりとりを一元管理できる。今回が国内初導入になるため、マニュアルや日本語ローカライズが不十分な中、uteleconとZoomが協力して製品のブラッシュアップを重ねたという。
東京大学では、システムごとに管轄組織が異なり対応に時間がかかるなど、ITサポート体制に課題があった。2020年のコロナ禍でオンライン授業が急増し、デジタルに不慣れな学生・教職員のサポートが急務となり、学生主体でITサポートを行うuteleconプロジェクトが発足した。
窓口をuteleconプロジェクトに一元化したことでユーザーの利便性は高まった一方、繁忙期には月1500件を超える問い合わせが集中し、業務量の偏りや複数アプリの使用による非効率さが課題となっていた。
ZCC導入後、ウェブサイトからのチャットや、必要な際はウェブ通話など、マルチチャネルの問い合わせを統合管理し、アプリ間の移動時間を削減できたという。キューマネジメント機能により、自動振り分けで業務量を均等化し、一部の人への負担集中を解消させている。また転送機能を活用し、対応中の案件をスムーズに引き継ぎ、作業負担を軽減している。さらにメールやチャットから、通話にシームレスに移行することができ、「Zoom Meetings」の画面共有機能もサポート時に活用している。ビデオ・通話品質の安定により、相談者との円滑なコミュニケーションを実現できた。
uteleconプロジェクトはZCCの選定理由として、ニーズへの適合性、コロナ禍以降のZoomとの信頼関係、手厚いサポート体制、製品の使いやすさを挙げている。uteleconプロジェクトでは、メールの問い合わせの案件管理など、ほかのソリューションを使用している業務も、ZCCと連携すれば情報を一元化できるとして、機能開発を進めている。