Microsoftは、「Windows 11 24H2」の不具合解消に向けた取り組みを継続しており、最新のアップデートでは多数の問題が修正されたようだ。米国時間2月25日にリリースされた「KB5052093」はオプションの更新プログラムであり、表示されるまで待つか手動でダウンロードする必要がある。また、これらは段階的にロールアウトされるため、全てのユーザーが使用できるわけではない。
まず、修正された不具合について説明する。Windows 11 24H2では、「File Explorer」に幾つかの不具合が見られたが、今回の更新によりその多くが修正された。
KB5052093の適用により、大量のメディアファイルを含むファイルの読み込みにおけるFile Explorerのパフォーマンスが改善した。クラウド上のファイルを右クリックした際に表示されるコンテキストメニューの反応速度も改善された。また、アドレスバーへのURL入力で、正しいページに遷移するようになった。さらに、全画面表示への切り替え時にアドレスバーがファイルと重なる不具合が解消された。加えて、クラウドファイルのサムネイルが検索結果に安定して表示されるようになった。
以前発生していた問題として、アカウントマネージャーのフライアウトメニューを開くとスタートメニューの色調が乱れる現象、特定のアプリケーションが接続されたスキャナーを認識しない問題、タスクマネージャーがHDDをSSDと誤認するケース、共有PCモードでのゲストアカウントによるサインインの不具合、マウスカーソルの色設定が「User Account Control」(UAC)ダイアログ後に初期化される、といったものがあった。これらの問題は、今回の更新で解消されたと考えられる。
オーディオ関連の不具合として、PCがスリープ状態から復帰した際に音量が最大になる問題、ミュートとミュート解除の音が連続して再生される現象、PCが短時間アイドル状態になった後にUSBオーディオデバイスが機能停止する事象が発生していた。これらの問題点についても、今回の更新で改善が期待される。
今回のアップデートでは、特定PCへのRemote Desktop接続時に応答が停止したり画面表示が乱れたりする問題、高DPI設定のディスプレイにおいて特定のアプリでドラッグ&ドロップによるファイル移動ができない問題、設定画面を開くとメモリー関連のエラーメッセージが表示される問題なども修正される。
次に、KB5052093によって追加された新機能と改善点について見ていく。
Windows Taskbarのジャンプリストから直接ファイルを共有できるようになった。これは、ジャンプリストがあるアプリケーションでのみ機能する。複数のアプリケーションが同時にカメラストリームにアクセスできるようになり、カメラが正常に動作しない場合のデバッグ方法を改善した。
画面上のテキストやその他のコンテンツを読み上げる「Windows Narrator」も改良された。Windows Narratorをスキャンモードで使用する場合、キーボードの特定のキーを押して、リンクをスキップしたり、テーブルやその他の項目の先頭や末尾にジャンプしたりできる。これらの機能は、長いウェブページや長文のメールを読み上げる際に役立つ。
壁紙をランダムに切り替える「Windows Spotlight」も強化された。画像にカーソルを合わせるか専用アイコンをクリックするだけで詳細情報を確認でき、さらにアイコン自体が画面右下に常時表示されるようになった。
これは機能というよりもMicrosoftの広告に近いが、設定画面のトップページに「PC Game Pass」の紹介カードが表示される場合がある。これは、Microsoftアカウントでログインした特定のユーザーにのみ表示されるもので、友人や家族をPC Game Passに招待することを意図している。
KB5052093は、プレビュー版の更新であるため、正式版は3月11日の月例更新で配信される予定だ。余裕があるならば、通常更新での提供まで待つことを推奨する。

提供:ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。