3. Dynamic Islandとカメラコントロールボタンの欠如

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
iPhone 16eのデザインにおける最大の差異は、わずかに小さい6.1インチのディスプレーサイズを除けば、Dynamic Islandとカメラコントロールボタンが搭載されていない点である。これらの2つの要素が存在しないため、外観は「iPhone 14」に似たものとなり、若干時代遅れな印象を与える。しかしながら、これらの機能の欠如が筆者の日常生活に支障をきたすことはなかった。むしろ、Dynamic Islandとカメラコントロールボタンを日頃どの程度使用しているのかを再考する機会となった。そして、その答えは「ほとんど使用していない」というものであった。
iPhone 16 Proでは、カメラコントロールボタンを使用してカメラを起動し、画面中央のシャッターボタンをクリックすることなく、より手軽に写真を撮影できる。しかしながら、iPhone 16eにはコントロールボタンが搭載されているため、カメラ機能をコントロールボタンに割り当てることで、カメラコントロールボタンと同様の操作感で使用することが可能だ。
もう1つ注目すべき違いは、MagSafeが搭載されていないことが挙げられる。MagSafe対応のアクセサリーを愛用しているユーザーにとってはデメリットといえる。近年のiPhoneでは、iPhone 12以降、ほとんどのモデルにMagSafeが搭載されてきたため、iPhone 16eで非対応になったのは残念だ。しかし、MagSafe対応のケースを使用したり、磁気リングを取り付けるなどの方法で、MagSafeの利便性を享受することは可能だ。
4. 鮮明なディスプレー

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
筆者はインターネット漬けの生活をしており、iPhone 16eで週末を過ごしてみた。 「YouTube」で動画を何時間も視聴したり、「TikTok」をスクロールしたりするうちに、週末はあっという間に過ぎてしまった。iPhone 16eでの視聴体験は、iPhone 16 Proと比較しても遜色なく、この価格帯のスマートフォンとしては非常に優れていると感じた。
「Super Retina XDR」ディスプレーは、iPhone 16 Proの6.3インチに対して6.1インチと、それほど小さくはない。映像は豊かで鮮やかな色彩と深いコントラストが特徴だった。iPhone 16eは、最大輝度が800ニト、ピーク輝度が1200ニトとなっている。iPhone 16 Proほどではないものの、屋外の直射日光の下でも快適な視聴体験が可能だった。
iPhone 16 Proのディスプレーは120Hzのリフレッシュレートに対応しており、iPhone 16eのディスプレーはiPhone 16と同様に60Hzのリフレッシュレートとなっている。高リフレッシュレートの滑らかなディスプレーに慣れているユーザーにとっては、物足りなさを感じるかもしれない。200ドルのAndroidスマートフォンでさえ120Hzディスプレーを搭載している現状を考えると、これはiPhone 16eの弱点といえるだろう。
全体的に見て、このディスプレーは、ピーク輝度が625ニトの「Retina HD」4.7インチディスプレーを搭載していた第3世代「iPhone SE」からの最大の改善点の1つである。
その他の特筆すべき点
iPhone 16eには、上記の他にも魅力的な特徴が幾つかある。
軽量である点:iPhone 16eのような軽量なスマートフォンをポケットに入れて持ち運べるのは非常に快適だった。iPhone 16eの重量は167gであり、iPhone 16 Proの199gと比較すると、その差は顕著である(※初出時、iPhone 16 Pro Maxとしていましたが、iPhone 16 Proの誤りでした。お詫びして訂正いたします)。
Apple C1モデム:iPhone 16eは、Apple初の自社製5Gモデムである「Apple C1」を搭載している。このモデムは、従来のQualcomm製プロセッサーからの脱却を意味し、ユーザーに高速かつ信頼性の高い5G接続を提供することを目標としている。長期的には、バッテリー駆動時間の最適化にも貢献するはずだ。筆者の使用経験では、通信サービスは従来と全く変わらず、これはまさにAppleが意図した通りの結果である。
バッテリー駆動時間:iPhone 16eは、Appleがバッテリー駆動時間の指標として採用しているビデオ再生において、最大26時間の駆動時間を実現している。これは、旧モデルのユーザーにとっては顕著な改善点である。例えば、「iPhone 11」からiPhone 16eにアップグレードした場合、バッテリー駆動時間は6時間延長される。iPhone 16のビデオ再生時間も最大26時間であり、iPhone 16eとほぼ同等である。
全体的に評価すると、iPhone 16eは、他のiPhone 16シリーズに搭載されている追加機能がなくても問題ないと考えるユーザーにとって、非常に堅実な選択肢となるスマートフォンである。筆者の検証結果から判断すると、iPhone 16eにおける最大の妥協点は、超広角レンズと高度な写真/ビデオ撮影機能の欠如である。しかし、写真撮影に強いこだわりがないユーザーにとっては、日常的な写真撮影においてこれらの機能が不足していても、特に支障はないだろう。

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。